こんにちは、ななみです。
タイトルの通りの質問を、時々受けることがあります。
「田舎っぽいことが嫌いだが、移住したい」
矛盾するようなんですが、翻訳すると
というご相談です。
もっと直訳すると
みたいな。
結論からいうと、「田舎っぽいことが嫌いで移住しても、全然問題ありません」。
ほんと。
地域の集まりや祭りが嫌いなら、あまりそういうことが盛んでない集落を選べば良いし、「家庭菜園と聞いただけでめまいがする」なら、別に何もしなくても大丈夫です。
ただ、虫はこっちが嫌いでも寄ってくるし、どうしても避けきれない人間関係の面倒というのもありますが、それでも80%くらいは、強い意志と対策でなんとか避けられるような気がしています。
そもそも、これが重要なことなんですが、地元の人でも、田舎っぽいことが嫌いな人ってすごくたくさんいます。
子どものころから自然いっぱいの田舎暮らしをしていても、畑仕事もバーベキューも興味ないし、虫が大嫌い、古民家にブーイング、オール電化上等、という人、全然珍しくない。
こっちに来て知った時は、けっこう衝撃受けましたよね。
でも考えてみたら、「田舎の人はみんな自然と畑仕事が好きで、虫なんて慣れっこ」みたいなのはこっちの勝手な思い込みでしかない。
アフリカ人ってみんなマラソン速いよね?みたいな押しつけです。
ちなみに、わたし自身も、アウトドアとか畑仕事とか、自分でのめり込むほど、好きなほうではありません。
でも、知的好奇心から”農業っぽいことも、知ってみたいナ~”なんて思うこともあります。そういうときは、周囲の「達人」に聞いたり、手伝ったりすればいい。
田舎の良いところは、むしろそうした「都合のいい好奇心」を簡単に満たせるところなんじゃないですかね。
先日は、「昔ながらの稲刈り」を楽しみながら手伝ってきました。
友人夫婦の田んぼ。彼らも移住者ですが、ガッツリ農業大好き派。
昔ながら、といっても、さすがにバインダー(稲刈り機)は使う。
以前、本当に完全な「手刈り」の稲刈りも手伝ったことがあるのですが、控えめに言ってあれは地獄でした。
束にするところまではバインダーがやってくれますが、それを集めて、干すのも一苦労!!
でもこの風景、良いですよね。原風景っていうのかなぁ。
今は機械乾燥が多いけど、こうやって天日干しにすると「茎の栄養が稲穂に下りて行って、より美味しくなる」んだそう。
実際にやってみて初めて、「お米は八十八の手がかかる」という意味がわかってきます。
そして機械が一切なかった時代に、こんな一連の作業を手作業でやりきった昔の人へのリスペクトがじわじわと。
それに、
「これ↑、皮剥いて、水で煮たら食べられるじゃん」って最初に気づいた人、すごくない?
とか。
ただ単にスーパーやネットでお米買っているだけでは絶対に思わなかった感慨が生まれてきます。
こうやって、わたしたちは貴重な体験をさせてもらい(今年で3年目)、相手も作業が軽減されるので、どっちにとっても良いことしかないです。
受け取るお礼は、夕食とビール。
そして、うまくいけば、この日干したお米をちょこっと。
こちらは手土産にオットの焙煎したコーヒーと、わたしの作ったガトーショコラを持っていきました。
できることを持ち寄ってシェアすることがそのまま経済になるのが、田舎暮らしの良いところです。
全方位的になんでもできる人はいないし、そもそも「移住してまで苦手なことをする」っていうのも本末転倒。だったら都会で会社員してたほうが、よっぽど儲かります。
”やりたくないことはやらない”っていう意志も、結構重要なんだよなと思うこの頃。