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ナメてましたごめんなさい。の大塚国際美術館【徳島県・鳴門市情報】

移住してからずっと気にかかってた場所に、やっと行けました。

徳島県鳴門市にある、大塚国際美術館。

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大塚国際美術館とは

”たいそう規模の大きい、すごい美術館”というウワサはかねてから聞いていました。

しかしですね。

ここは一般的な美術館ではなく、西洋名画等をオリジナルと同じ大きさに複製し展示する陶板名画美術館なのです。

作ったのは、ポカリスエットとかカロリーメイトなどでおなじみの、大塚製薬グループ。

知らなかったのですが、大塚製薬グループには、大塚オーミ陶業株式会社という、陶業における特殊技術を擁する企業があるんですね。
ここの超一級の陶板版画の技術を駆使した、世界に類を見ない美術館。

わたしの中では「行ってみたい」という気持ちと、反面

「どんなに精巧でも、複製は複製だし」

という気持ちもあったのが正直なところ。

しかしこのコロナ禍で「出かけるなら近場」、という空気感。
四国の中でめぼしい美術館となると、もうここしか残りません。

で、やっと出かけてきました。

結論としては、想定外の発見がいろいろあり、本当に行って良かったです。

当日券で大人3,300円と、美術館としては日本一高額。ただ、近隣のホテルのチケット付きプランを利用すると、ちょっとお得になります。

大塚国際美術館 想定外の発見

1.建物が必見。ぶっとんでいる

入る以前に、まず美術館の建築が、想定外にぶっとんでいるものでした。

正面入り口からの風景なんですけど・・・

山を背景にしているようですが、実際は「山の中」に建物があるんですよね。

???

そもそも大塚グループの発祥の地という縁で、鳴門市にこだわって作ったとのことですが、でもここは瀬戸内海国立公園の敷地内。

建設許可がおりるのを待つだけで5年。
そこから、いったん山を削り取って建物を作った上で、埋め戻したという難工事。
もうわけがわからない。

施工した竹中工務店は、途中でイヤにならなかったのか・・・

ともあれ、上の写真の入り口が「地下4階」にあたり、そこから地下1階まではすべて山の中。1階になって、やっと地上に出られる仕組みになっています。

行かれる方は、ここにフロアマップがあるので、事前にある程度イメージして行ったほうが、現地で「お、おう」ってならずに済むでしょう。

2.内部がド広い

上述のような、ぶっとんだ規格でできているので、当然内部もド広くて、国立新美術館(東京)に次いで全国2位の29,412m2 という広さを誇ります。

鑑賞距離は、標準で4km。

フラットな靴で行きましょうね。

ただ、都会の人気美術展覧会のように、「入場まで2時間待ちの上に、内部は通勤電車なみの混雑」ということはないです。

あくまで、ただ長距離をひたすら歩くというアスリート的な疲れなので、メンタル面ではわりと健康的。

わたしたちは日曜日に行きましたが、それでもほとんど混雑は感じませんでした。

3.とにかく展示数が多い

あとから知ったのですが、展示数は1000点を超えるそう。ゲ。

入館して最初に、いきなり最大の見どころの、バチカンのシスティーナ礼拝堂が現れます。

白鵬関(夫人が徳島出身)の結婚披露宴や、最近では米津玄師さんが紅白歌合戦の中継をしたので有名になった場所。

そして、世界に散逸しているという、エル・グレコの祭壇の復元。

といった目玉を過ぎて、そこからは、あふれるように名画が続出します。

おなじみのゴッホ、ルノワールなどは当然のように。

ロートレック、モネ

 

ジョット、ルソー

ムンク、レンブラント・・・

ま、キリがないのでやめておきますが、およそ「何となく知っている」画家や「何となく覚えている」絵は大概あると思っておけばいいと思います。

4.「質感」の再現がすごい

実は、行く前は「陶板版画」っていうのがよくわかってなかったんですよね。

単純に”陶器”というイメージから、コーヒーカップに絵を映したようなもの?と想像していました。

イメージ図。知らないとはいえナメすぎでした

いや・・・これで美術館できるワケないよな、やっぱり。

実際に見て本当にびっくりしましたが、油彩画は油彩のように、水彩画は水彩のように、その筆致が完全に再現されているんです。

本物と並べて近くで見ても、おそらくわたしには見分けがつかない自信があります。

作品は本来触ってもOKなので(※ 今はコロナのため、触るの禁止です)、質感を楽しむのもありです。

本物では絶対できないことですよね。

5.比較展示が面白い

大塚国際美術館では、「現実にはありえない」展示の仕方がとても面白いです。

たとえば「最後の晩餐」は、修復前と修復後が対比されていたり。

<修復前を撮り忘れました。こちらは修復後>

わずか35点の作品が世界13都市に点在しているフェルメールも、ここでは8作品を1度に見ることができます。

ゴッホの「ひまわり」。花瓶に入ったものは7点(現存するのは6点)あるそうですが、消失した1点も含めて、すべて展示。

これこそ複製だからこそできることで、アイデアに感心します。

6.屋外展示も見どころ

「2000年はきれいなまま持つ」と言われているほど、耐久性の高い陶板版画の強みが生かされているのが、屋外展示。

モネの「大睡蓮」は、屋外の自然光の下で観られ、快適です。

  

7.時間と体力のペース配分が重要・・・

鑑賞開始から、小作品を含めじっくり見ていたら、最後のほうにある目玉、ピカソの「ゲルニカ」や、ゴーギャンの大作などのときには集中力が絶え絶えでした。

ある程度割り切って、「じっくり見る」ものと「さらりと流す」ものを分けたほうがいいかもしれません。1000点ですからね。

いずれにしても1日で駆けるのはもったいない。2日券とか欲しいかも・・・

8.所要時間は、5時間欲しい(最低)

わたしたちの所要時間は3時間30分でした。休憩ほぼなし。

実は13:30に入館したので、17:00の閉館時間でタイムアウトになってしまったという次第なのです。

完走記念(やや疲れ顔)

 

実際はあと最低でも30分欲しかったし、ほんとうなら5時間くらいあっても全然良かったですね。

まとめ: 虚構の面白さを体感した

美術館というより、ここはアートのテーマパーク。
観終わった感想はそのような感じでした。

複製、つまり「虚構」とわかっているのに、惹きこまれる感じは、ディズニーランドに熱狂する人の気持ちと似ているような気がしています。

コロナ禍のもと、海外にはいかれないけど、ここでは「ウフイツィ美術館」(フィレンツェ)~「プラド美術館」(マドリード)~「MoMA」(ニューヨーク)etc
世界各地の美術館を徒歩で見て回ることができました。

楽しく不思議な気分のする1日でした。

途方もない執念と技術とお金をかけてできている、世界に類を見ない場所が四国にあるということにも驚き。見始めるとすぐ【本物】とか【複製】とか、気にならなくなります。

ぜひお試しください。

大塚国際美術館
〒772-0053
徳島県鳴門市鳴門町 鳴門公園内
Located in the National Park,Naruto-cho,Naruto-shi,Tokushima 772-0053 JAPAN
Tel  088-687-3737
Fax 088-687-1117
E-mail:info@o-museum.or.jp
https://www.o-museum.or.jp/
 
開館時間
9時30分~17時まで
 
休館日
月曜日(祝日の場合は翌日)
1月は連続休館あり、その他特別休館あり、8月無休