<<我が家のリノベ>>
2017年/築70年程度(推定)の古民家購入
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2021~22年にかけてリノベ
(8~9割がた工務店に依頼、残りDIY)
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2022年末に入居
CONTENTS
前編からのおさらい
詳しい前編はこちら。
前編の内容をざっくりまとめますね。
田舎の家に必須の浄化槽。
我が家も古民家リノベをするにあたり、新たに浄化槽を設置する必要がありました。
しかし、電気や薬品を使用する一般的な合併浄化槽よりも、自然の力で汚水を浄化し、大地に返す「エコロンシステム」を採用することを決定!
こんな感じ↓で、メリットの多いエコロンシステムです。
さらにエコロンシステムは、一度設置すれば、維持費はほぼゼロという経済性も見逃せない。
そんな良いことづくめのように見えるエコロンシステムですが、やはりその裏には、ハードルもあって…
というところから、↓↓後編↓↓のスタートです。
エコロンシステム、導入のための3つのハードル
いいことの多いエコロンシステムですが、実はその導入には、(人によって)かなり高い3つのハードルがあります。
ハードル1:初期投資の高さ
残念なことに、エコロンシステムは正式に国から認可されたシステムではないため、合併浄化槽の補助などが受けられません。
エコロンシステムの初期投資額は約150万円ほどかかります。
たとえば、一般的な合併浄化槽が補助金を使って70万円ほどで導入できたとすると、エコロンシステムとの差額は約80万円ですよね。
一度設置すれば、維持費のかからないエコロンシステムは、12年くらいでこの差額を回収できるはずですが、とはいえ、初期段階での80万円の差は大きい!
ハードル2:設置のための労働力はほぼ自給!
エコロンの最大のハードルは、施主(導入する人)が、設置のための労働力を提供しなければならないことです。
え?お金払うんだから、全部業者さん任せではないの?
と思うかもしれません。
そこがちょっと特殊なのですが、エコロンシステムは、前編にも書いた通り、冨安貢弘さんという個人の社長さん(2代目)がほとんど1人で経営されているような企業です。
本拠地の福岡に、決まった作業スタッフを抱えているわけではありません。
全国どこにでも冨安さんが出張して、現地で手配されたスタッフに指示して、工事を行うというすごいシステム。
つまり、毎回違う環境、違うスタッフ(質も量もバラバラ)を的確に指導して、きっちり予定通り(たいてい2~3日間)でエコロンシステムを完成させるということ!!
↑前世でピラミッドか兵馬俑作ってそう!!
ちなみに、我が家でエコロンシステムを設置するには、オット以外にあと2人の力が必要と言う。
とのこと。
そこで、
ちなみに、Hさん(林業家)、Rくん(農家)は、こちらに来てから知り合った面々で、わたしたちの人脈の中でも、トップクラスにスーパーな人材。
体力があり、技術があり、さらに頭が良い上に、底抜けに親切(だから手伝ってくれる…)。
で、結果から言うと、オットの予感は120%当たっておりました。
もしHさんとRくんが来てくれなかったら(わたしのような、何でもない人が来ていたら)、冨安さんやオットが死ぬほど苦労しただろうなっていう話です。
田舎では、お金で買えない人間関係がホントに重要。
ハードル3:材料の一部を自己手配
最後のハードル、これまたほんとに地味な話なんですが。
エコロンシステムの材料の重要な部分は、冨安さんが福岡から搬送してくれるのですが、市販で買えるものはこちらで手配しておきます。そのほうが、移送費がかからないからです。
しかしこれがまた、市販品といえば市販品ですが、「U字溝」「〇〇ブロック」「〇〇管」「コンクリートカッター」など、どこで売ってんの??ってものばっかりです。
オットは、コンクリート会社(?)やあらゆるホームセンターを駆けずり回って、コツコツと指定された品を借り物競争のごとく集めていました。
しかしすごい大変そうだった!!
エコロンシステム設置の実際の様子
それでは、実際のエコロンシステム設置の様子です。
まず、エコロンシステムを設置する場所をだいたい確保。4人家族用なら、1.5m×10mほどの場所があればOK。
冨安さんが出張してくる前に、こちらで手配した材料を準備しておきます。
こんなもん初めて買ったわ!
【作業1日目】
事情により、季節は7月下旬という真夏。しかも雨の予報!!
地獄となる匂いがプンプンします。
さて、そんな中、まずは、装置全体を埋める穴を掘ります。
まずこの時点で、ユンボ(バックホー)の技術必須。
U字溝を設置。これも、ユンボで吊り上げて降ろすという、より高度なテクニックが求められる!
U字溝にはふたをして、ここをいわゆる「汚水槽」として使用します。
この上に置かれるものが、エコロンシステムの要とも言える、微生物繁殖槽(専用接触ろ材)。卵のパックみたいな形が特徴です。
これをひたすら、U字溝の上に敷き詰める。
「賽の河原で小石を積む」ような作業(もはや修行)だと、Rくんがつぶやきました。
南無…
この「卵パック」を細かい網で覆ったら(土砂が浄化槽に入るのを防ぎます)、ここまでで1日目は終了!
【作業2日目】
流入管を設置します。
この時点で、我が家はまだ家のリフォームが終わっていないので、後から家庭からの排水パイプとつなげられるように準備しておきます。
あとは、微生物が好む特殊培養土で、周囲を埋めていきます。
管はわかりやすく出していますが、短くカットしてもOKだそう。
完成直後の様子。
エコロンシステムの上は、深く根を張らない植物や野菜を育てるのに向いています。
微生物の働きのおかげか、すごくよく育つそうな!
暑かったり重労働だったり、想像どおりの困難な作業ではありましたが、冨安さんに言わせると、
とのこと。もう感覚がおかしい!
ありがとうございました!!
エコロンシステムのアフターサービスは大丈夫?
さて、冨安さんがほとんど個人で行っている事業ということで、「アフターケアは?」「耐久性は?」などの心配もあるかとは思います。
わたしたちも、そういうことを考えないわけでもありませんでした。
しかし実際は
なんだそう。
その1番の理由は、シンプルだから。確かに。
昔の家電ってシンプルでなかなか壊れなかったなぁ。
とはいえ、やっぱり何か起こる可能性あるんじゃないの~とわたしなどは思ってしまうんですが。
でも、考えてみたら、エコロンシステムをオットも一緒に作ってるし。
なので、何かあったら、オットが多少修理できるんじゃ?
導入する際に、施主が作業に加わらなければならないのはハードルではありますが、一方で、中身を自分でよく理解できているという、すごく大きなメリットもあると思います。
ハードルが、裏を返せばメリットだったんですね。
さらに言うと、エコロンシステムは日本にすでに300か所以上で導入されています。
仲間に聞けばなんとかなりそうな気もする。
エコロンシステムは、コストや機能が優れていることはもちろんですが、何よりそのコンセプト(自然に返す)や思想に共感する人々が導入するもの。
なので、たぶんエコロンユーザーが困っていたら、見知らぬ人同士でも助け合えるような気が勝手にしているのです。
まとめ
エコロンシステムを導入して、約1年(住み始めてからは7か月)が経過しました。
普段は、エコロンシステムがあることも忘れてしまうくらい、全く自然です。
(とはいえ、塩素系洗剤など、有害なものを流さないなどは気を付けています)
本当に優れたシステムだと思いますが、まだまだ知名度が低いのが現状。
知っていれば、導入したかった!という人もいるかもしれません。
これから広めていきたいと思います!