今日はカフェ経営の話。
2017年、かつて夫婦 2人だけでカフェを始めたころは、週末経営だけだったんですね。
今思えば、当時は本当にのんびりムード。
その時参考になったのが漫画「インベスター Z」の第11巻に出てくる夫婦 2人の喫茶店経営の心得、「スリム」「シンプル」「スロー」の 3 S経営でした。

- Slim(スリム)…人を雇わない(少人数)、低コスト
- Simple(シンプル)…商品の数が最小限
- Slow(スロー)…忙しくしない
成長、拡大は悪魔の声だ!!
その時はすごくそれにピンと来て、おーこれだこれだと思っていたんです。
けれども、それから9年、なんやかんややっているうちに、だいぶ状況が変わってきちゃって。
今は公共施設の中でカフェをやっているので、週に6 日営業してるんですね。
で、そうなると夫婦 2人でってのは物理的に無理なんで、スタッフ(アルバイト)さんを 5 人日替わりでお願いしています。まずスリム破壊。
ってなると、人件費から逆算すると何をどれだけ売り上げていく?新商品開発?限定商品は?なんて考え始めたりして。シンプルが逃走。
そうしたら、毎日やることが山積みになり、スローが行方不明。
と、ここで気づいたのですが、おー、スリム、シンプル、スローって三位一体で、どれかひとつ欠けると、総崩れなんだわ。
でも、今思うのは、これはいい悪いの話でもなく、目指すところが変わってきたんで、経営の指針も変わってきたというふつうなお話です。
とにかく今の目指すところは、うちのお店で働きたいと思う人を、全員好きなだけ働かせられるぐらいの規模にしたい。というのがベースになってきた。
そのために、もし新しい 3 S経営を考えるとしたら、うーん、まずスピードかな。
さっきスローって言ってたばかりですが、ぶん投げます(とっくにいない)。
スピードの意味は、1つには世の中の潮流についていくこと。
そしてもうひとつはそれなりに早いスピードで成長するということ。
まぁ、単純に我々が年を取ってるので、何にせよ急がなきゃ死ぬよねっていう話なんですが(笑)
2つ目はスタンダード。
それは、このエリアの1つの基準となるような店になりたいということ。
コーヒーもお菓子も店のしつらえでも、まあ田舎だったらまこんなもんだよね。って思われるのはイヤで。
こっちは日々たくさんのお客さまを相手にしますが、お客さまの中には、一生の中で、四万十市で立ち寄った喫茶店がたった1つ、うちの店だけだった、という人がいるかもしれない。
そんな時にああ四万十市の店ってなんかレベル低かったな~という印象を残させたくないのです。
最後はサステナブル。
環境方面ですっかりおなじみの言葉ですけど、わたしは、本当に単純に「長く続けられる」っていう意味で使いたい。
カフェって「多産多死」とよく言われます。
始めるのも終わるのもカンタンだからそりゃそうなるよね。
ただ、やっぱりどんな変な店だろうがレビューが悪かろうが、とにかく「やめない」が正義。
店の品質が完璧だとか素晴らしいとか。もちろんそこを目指すのは素敵なことなんだけど、どんなに低空飛行でも続ける。やめない。
それが絶対に重要なことだと思ってるんです。
やめない限りはゲームは続く、挽回の余地がある、成長の希望も繋げられる。
とにかくやめないやめないやめない。
ちなみに、もちろん「やめる勇気」ってのもあると思いますし、他人にこの考えを押し付ける気はありません。あくまで、自分についてのことです。
で、どうして、わたしがスリム・シンプル・スローから、スピード・スタンダード・サステナブルに切り替えたかって言うと、やっぱり絶対的にこの地域っていうか、日本の地方って「良い働き場所」が少ないからなんですよ。
特に若い人が、「こんなところで働けたらいいな〜」と思うような場所っていうのが極端に少ないです。
スリム・シンプル・スローは、個人としてはいい働き方の1つだけど、雇用は増えない。
たかがカフェ、たかがバイト、と言われるかもしれないけど、やっぱり「そこにいる自分が好き」とか思えないと、働く楽しみもなかなか生まれてこないと思うんで。
それはやっぱり理想に近い所っていうのを作りたいなっていう風に思ってます。
と、なんか偉そうな流れになってきましたが、本当のところは、働きたいと思ってくれて問い合わせてくれる人はけっこういるけど、今の我々の事業規模だと、全然増やせなくて、トホホなだけです。
こんな熱量はありつつも、とはいえ、一方でサステナブルでありたいのは店だけじゃなく、自分自身も同じ、
やっぱり個人事業の店って、店主が倒れたりして事業が中断したり、そのまま終わってしまったっていうことが本当によくあるのですが、それがもし仕事の過労から来るものだとしたら、本末転倒なんですよね。
スピード上げながらいかに息切れせずに続けていけるかっていうことを、この何年かずっと考え続けていると言っても過言ではありません。
そんな中で、最近、色々設備投資とかもしながら、第 2 章が始まった感じです。




