カフェ経営

<<馬鹿に発見されない>>田舎でお店を開く意外なメリット

不特定多数の人が来るカフェを開くにあたって、ちょっと心配していたのがいわゆる「モンスター」のような人が来たらどうしよう、ということでした。

時々ニュースになる、「店長やスタッフに難癖つける」「土下座させる」とか、そういう手合いのことです。

結論から言うと、お店を開いて約5年、これがビックリするくらい、いいお客さんしか来ません。

よくよく考えてみると、モンスターカスタマーに悩まされるような話は、大体が「都会の駅前の雑居ビルにある居酒屋」なんかで起こってる。

ふだん、何らかのストレスや格差によって鬱屈し、満たされない人が(特に酒の力を借りて)、弱者を相手にモンスター化していることが多いように思います。

しかし、うちの店に来るような、つまり、「田舎の山奥にわざわざコーヒーを飲みに来る人」というのは、時間的にも経済的にもゆとりがある人がほとんど。

モンスター化する要素がまるでないんですよね。

というか、わたしのほうがむしろ余裕がなくてあたふたとモンスタースタッフ(?)になっているんじゃないかと思うほど。

お客さんのほうが寛容で色々許してくれている感じしかなくて、これは本当にありがたいことです。

わたしたちは初めてのお店作りなもので、コンセプトも方向性も「走りながら考えた」というか「手探りで自然にそうなった」といったほうが正しいんですが、今からお店をまた作るなら、

「変な人を寄せ付けない」

店づくりを重視すると思います。

それが、お店を長続きさせるために意外と重要な要素じゃないかと思うから。

総じて田舎のお店は「そんなところまで来る余裕がある」というフィルターが自然にかかるので、有象無象が集まる都会のお店よりも、変な人にあたる確率が少ないのかな、なんて思っていたら、田舎の店ならみんなそうとも限らないらしい。

長野県で超有名な「わざわざ」というパンと雑貨を売るお店があります。

こちらも、相当辺鄙な場所にあるようですが、オンラインとSNSを活用した優秀なマーケティング戦略で、3億(!)という桁違いの売り上げを挙げておられるお店。

この「わざわざ」さんが、NHKで取り上げられてからお客さんが殺到するようになった結果について、経営者の平田さんがこんなことを書いておられます。
note「来ないでください。」より)

(中略)
だけど、もちろん、パンは足りなくなるので、お盆やGWの時みたいに朝から個数制限して営業しております。そうすると、お客様の中に怒る人が出てきます。わざわざ来てやったのに買えないってどういうことか!って。

みんなは言えないからここで私が言います。

「来ないでください」

そんな人はわざわざの敷居をまたがないでください。ものすごい丁重に謝って説明している人にどうしてそんな態度を取るんですか。報告を受けてるだけで切なくなります。ゴトウさんも店頭のスタッフも絶対にお客様に声を荒らげることはありません。誰がどう見ても素晴らしい対応です。

なのに、それでも強者の剣を振りかざして、弱者に襲いかかる人がいる。よくない。権利を主張し、自らを正しいと言う。

平田はる香さん note「来ないでください。」より引用

わざわざというお店は、それこそ世界観とコンセプトがしっかりしていて、「客」というより「ファン」が集うお店です。

それでも、やはり集客の裾野が一気に広がるとこういうことが起こる。

ああ、なるほどなぁ。
有吉弘行さんが「ブレイクするとは、馬鹿に発見されることである」という名言を残していますが、まさに、わざわざさんはこのとき「馬鹿に発見されちゃった」のかもしれない。

有名人と有名店の宿命。

そういう意味では、まともなお客さんしか来ないわたしたちはまだ全然ブレイクしていないつうことか。

良いのか悪いのかよくわかりませんが、たぶん、良いのです。

このわざわざさんの話を読んで、オットとは「テレビ取材だけはお断りしようね!!」と言っています。

ななみ
ななみ
1度も依頼はない

いつも優しいお客さまたちへ、改めてお礼を申し上げたいと思います。