こんにちは、ななみです。
一般的に「都会から田舎に移住者が増えると喜ばれる」と思われがちです。
わたしたちが移住すると決めたとき、友人・知人に
とよく言われました。
でも実際に来てみたら別にそこまででもなかった、という記憶があります(笑)
もちろん冷たくされたわけでもないですが。
実は、自分たちが移住してきたことが多少なりと喜ばれているのかな?と思い始めたのは、5年目にもなった、ごく最近のことなのです。
たぶん、わたしたちが「少なくとも無害で、いてくれたほうが多少にぎやかでよい」と周囲にわかってもらうのに、5年かかったということなのでしょう。
つまり、「都会から移住したら、喜ばれる」というのは正しいんだけど、でもそれが移住後すぐだと思うと間違い。
地元の人が移住者を理解し、安心して受容するまでの、一定のタイムラグが必要なんだということ。
これ、意外と重要で。
このタイムラグを理解していないと、移住してみて「なんか地元になじめない」とか「なんか周りの人が冷たい」とか勘違いして、移住の挫折につながってしまう可能性があります。
地方で地元の人に安心してもらって、移住者の存在を歓迎してもらうには、その移住者が
- 何で稼いでいるかが明確
- 家族構成がはっきりしている
- 挨拶くらいできる常識がある
というところをクリアしているのが最低ラインのような気がします。
なので、「安心されるまでのタイムラグ」は移住者によって異なります。
たとえば農業していて(畑があるとわかりやすい)、子どもがいて(話しかけやすい)、挨拶ができる(普通ですけど)家族というのが一番「喜ばれる」ステージに上がれるのが速いケースかもしれません。
一方、うちはというと、まずオットが林業なので、仕事している風景がちょっとわかりにくいんですよね。
山の中だから誰にも見えないし。
林業やってます、と言葉で言っても、目に見えないと何となく信ぴょう性が薄いというか。
田舎では、言葉ではなく行動で表せないとダメなのです。
また、カフェのほうも、はじめは「続くのかどうか」半信半疑で見られていた感じもあります。(何せ本人が半信半疑だからしょうがない)
でも、5年経つうちに、オットが下界(笑)でも仕事する機会があったりして、やっと「あ、林業ぽい機械使ってる。ほんとにやれるんだ」ってわかってもらえたり。
カフェもとりあえず3年経って生きているし。
やっと、「この人たちは、それほど変じゃない」とわかってもらったような気がしています。
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世の中で移住に関する記事は山ほどありますが、都会→地方目線が多いですよね。
なので、「どうしたら、都会の移住者が田舎になじめるか」という方向性にばかり焦点が当てられがちです。
が、実際に知っておくべきなのは「地元の人が移住者に慣れるのにだって、一定の時間が必要」だってことなんじゃないかと思うんです。
よく考えたら当たり前のことなんですけど、移住者のほうは、自分たちは常識的な人間だと思っているから、すぐに受け入れられて当然だと思いがちです。
ごく、まともな人ほどそう思ってしまいます。
でも自分で自分を
「まともです!!」
と言っても、あまり説得力ないんですよね。
地元の人から見たら、都会から突然やってきた(特にIターンの)人間なんて、エイリアンそのものですから。
繰り返しですが、自分がどんな人間なのかは、言葉でなく行動で伝える必要があります。
そしてそれにはやっぱり時間がかかる。
都会だと、もっと手際よく人間関係が構築されたり、また解消されたりする。ある意味気楽でカンタンです。
地方のほうが、人間関係にもいちいち「手作り感」みたいなものを感じます。
それは時間がかかるし面倒なこともあるけど、そうした手作りの関係は、いったん出来たら壊れにくいような気がします。
これが田舎暮らしにおいてはもはや娯楽のひとつなんだなぁと思うこの頃です。