田舎に住むと、知らないうちに玄関に野菜やコメが置かれる。
移住する前から、うわさでは聞いていたものの、そんな「ごんぎつね」みたいな話が本当にあるんかと半信半疑でしたが、実際、事実でした。
しょっちゅう野菜やら果物やらお米やらをもらいます。
そして、皆さん、野菜をもらったら別の野菜で返したり、漬物をあげたり、とやり取りしているようです。
しかしうちは野菜を作ってない。
漬物やジャムは作るけど、なんていうか、自分の母みたいな人に差し上げるのも気が引けるんですよね。絶対、あちらのほうが上手だし。
というわけで、時々スイーツを差し上げていたんですが、この夏は忙しくて、ついついお返しをしないままに頂きものばかりしてしまっていました。
心の借金が増えるばかり。
これはいかん、と腰を上げて作ったのがパウンドケーキ!
地味だけど万人受けするやつ(たぶん)。
ちなみに、スイーツ類は差し上げると喜ばれる可能性は高いけど(ケーキ屋さんが少ないから)、人によっては糖質制限とかありますしね。
特にご高齢の方は健康上の問題もあるから、ちょっと気を遣う。
その点、パウンドケーキなら日持ちするから、少しずつ召し上がって頂ければいいし持ち運びもしやすいので一番差し上げやすい。
気合入れて一気に6本作る!
軽くラッピングしとこう。
さて、今日はこれを持ってとにかくお礼参り(?)するのです。
「いや~悪いねぇ。(しばし雑談)あ、これ、ほら、かぼちゃ持ってけ」
これ、お礼になってんかな。
ドンマイ、次いこう。
「あら~嬉しいわぁ。(しばし雑談)ニンニク持ってきなさい」
またやってしまった。先へ進め。
「まーすみませんねぇ。あらー、今、ウチなにもないが~」
「あ、豚肉あったが」
「まあまあ若いんだからいっぱい食べんさい」
帰宅すると
食卓が豪華になりありがたい限りですが、わたしの反省点としては、
「田舎におけるモノのやり取りは、タイミング命!!」
ってことです。
極端にいえば、「何を返すか」、より「すぐ返す」のほうがはるかに重要。
「もらったらすぐ返さないと、なんのこっちゃわかんなくなる」。
都会は「ギブ&テイク」をシビアにカウントすると思うんです。
何かをあげると、”あぁ、これは2カ月前のあれのお返しね”ってプラスマイナスカウントがスッと働くんですが、田舎の人は、そこんとこ気が良くて、ちょっと間が空いたらリセットされちゃうんですよ。
今回の場合、わたしは「あの時のお礼」のつもりだったのですが、皆さんからするとそんな前のことはとっくになかったことになり、「突然なぜかケーキをもらった」って感じになっちゃったんですね。
で、皆さん、いろいろ持たせてくれちゃったわけです。
て、気もします。
まぁ、「?」って顔されながらも喜んでくれたみたいだし、コミュニケーションになったので良しとしますが。
しかし、今度はすぐ返すぞ~