「会社員を辞める」ってすごい決意のようですが、最後の最後っていうのは、ほんとうに
崖の淵からポンと背中を押されるような
そんな程度の小さなことがトリガー(ひきがね)になるものです。
退職を決意した日、わたしの場合。
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大雪のせいで、駅から溢れかえる群衆
2016年2月のある日、東京を大雪が直撃してました。
朝、最寄駅の田園都市線の駅に着いたら、間引き運転で電車の本数は少なく、乗れない人が駅にあふれて大混乱。
まぁちょいちょい起こることですが、その日も駅前には何のデモ行進かと思うような人だかり。
ホームにたどり着くまで軽く2時間はかかるな・・・
と予想。
ただ、わたしの通勤時間が遅めのせいか、最後尾はこれ以上あまり伸びそうにないです。
ということは、2時間立って並んでホームに着いても、2時間どこかに座って空いてから動いても、電車に乗れる時間は同じでは?
だったら座って待ちたい。
そこで迷わず、駅前のマクドナルドに入って、(特に食べる必要もない)ポテトを食べながら待ちました。
マクドナルドの2階からぼーっと見下ろす、大量の人々。
静かにマジメに、文句も言わず並んでいます。さすが日本人。
すごい忍耐力だな・・・と思う一方で、だんだん冷静になってくる自分がいます。
「なんなんだろうコレは」
わたしも含め、なぜみんな”そこまでして”、会社に行かなければならないのか?
今日通勤する必要がホントにあるのか?
そして2時間経過・・・
わたしはまだマクドナルドにいて、(完全に不要な)チーズバーガーセットまで食べ終わっていました。
そのころになると、行列に並ぶことに疲れ果てた「行列脱落組」とおぼしき人々でマクドナルドのほうが混み始めてきます。
そんな「仲間たち」を眺めながら、浮かんできたのは
みんな休めばいいのに
そこでふと自分を振り返ってみると
大事な会議もない(そもそも大事な会議ってある?)
大事な客とのアポイントもない(そもそも大事な 以下略)
提出期限のものもない。
今日必ず決断すべきこともない。
あれ?これ休んでも良いやつ?
上司の返事に、辞職を決意
急に嬉しくなり、会社に電話。
自分から休みますとは言いづらい!
空気読め上司!!
<妄想>
<現実>
何時になっても、こっちが良くないわ。
ちなみに1ミリも焦っとらんわ。
※ わたしの上司はきわめて良い人でした、念のため。
でもこの時なぜかわたしの中で何かの糸が切れて、こうなりました。
なんていうか、すべてが茶番というか、とにかくばかばかしくなったんです。
振り返って想うこと
もちろん、この日の雪だけが理由で会社を辞めたのではありません。
それまでずっとずっとコップに満ちる水のように、溜まってきた会社員としての生き方への疑問。
この雪の日の出来事、上司の一言は、コップの水をあふれさせた最後の一滴だったに過ぎません。
それでも、この日のことは
理不尽な状況の発生。
ごまかしつつやりすごす時間。
最終判断はいつも上司。
という、自分の会社員人生すべてを凝縮したような、象徴的な出来事だったように想うのです。
大きなことほど、案外さりげなくやってくるものですね。