カフェ経営を始めて、2年が経過しました。
がしかし、いまだにしょっちゅう、方向性については悩みます。
そんなとき思い返すのが、実はマンガ!
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投資マンガ 「インベスターZ」
その、カフェ経営のヒントをくれているのが・・・
じゃん、インベスターZです。
インベスターZとは?
創立130年の超進学校・道塾学園に、トップで合格した財前孝史。入学式翌日に、財前に明かされた学園の秘密。各学年成績トップ6人のみが参加する「投資部」が存在するのだ。彼らの使命は3000億を運用し、8%以上の利回りを生み出すこと。それゆえ日本最高水準の教育設備を誇る道塾学園は学費が無料だった!
(Amazonより)
という、エリート高校の「投資部」の部員となったある高校生が主人公の物語です。
彼(財前くん)が、日本株、米国株、FX、不動産投資、etc いろんな投資パターンに取り組んでいく様子をテーマに1話完結で展開していきます。
たかがマンガ、と思われそうですが、このインベスターZはあの”会社四季報”が、
投資ビギナーにも、一定の経験を積んだ投資家にも勝つための「気づき」を与えてくれる
と評しているほどでわたしもかなりハマりました。
そのインベスターZの第11巻。
この中に、ずばり「喫茶店経営」がテーマの1話があり、なかなかお役立ちなのです。
インベスターZ 11巻にある「喫茶店経営」の話
インベスターZ 11巻の中にある、喫茶店経営の話。
女子高生・さくらの母親(シングルマザー)が、パートを辞めて喫茶店を経営すると言い出すところから始まります。
インベスターZ 11巻 より引用
頭の良い娘のさくらは、
「喫茶店なんてダサいし儲からない。絶対反対!」
しかし母親は、さくらに対してこんな説明をします。
この喫茶店は
- 現オーナー夫婦が40年もの間、堅実にやってきた喫茶店
- 高齢のため引退する彼らの店を引き継ぐ、いわゆる「居抜き」起業
- そのため初期投資はほぼゼロ
- 店舗はそのオーナー夫婦の家の一部で、家賃は不要
- 周囲には裕福な高齢者がたくさんいて、その客も引き継げる
という恵まれた条件、十分安定した経営が見込めるとのこと。
このお話では、さくらのお母さんの前の経営者、高齢の現オーナーの「喫茶店経営論」が非常に心に残るものでした。
個人商店経営に必要な「3つのS」
その現オーナーの「個人商店経営論」のキモは、3つのS。
インベスターZ 11巻 より引用
- Slim スリム(極力少人数、低コスト)
- Simple シンプル(扱う品数が最小限)
- Slow スロー(あまり忙しくない)
実は「さくらの母親」は、わたしと年齢が同じくらいな感じがします。
体力的にも、若い人と同じような無理はできないという点がとても共感できたからです。
このお店は、ほとんど飲み物だけしかない喫茶店。
1日の売り上げが2万円(月商50万円)あれば成功という考え方でした。
ほぼコーヒーだけなら、コストも体力も最小限で済みます。
現オーナーは、「成長も拡大もいらない、満員御礼なんてゴメンだ」といいます。
しかし、賢いさくらは、こんな疑問を持ちます。
「現状維持でいいの?」
「すべてのビジネスは成長と拡大を目指すべき」か
ふつう、企業は成長や拡大を目指すのが当たり前です。
外界が大きく変化する中での現状維持というのは、実質「後退」という意味合いを持つように感じます。
インベスターZ 11巻 より引用
実際、わたしたちがカフェ経営を2年やってみて、悩む点もそんな感じ。
なんとなく順調だけど、このままでいいのかな?
という、漠然としたモヤモヤ感。
特にわたしたちには、具体的なロールモデルも先輩もいないので、喫茶店経営に関しては、すべてが最初から今まで試行錯誤でしかないんですよね~。
個人店にとって「成長と拡大」は悪魔のささやき
しかし、こんな疑問に対して、マンガの中で、現オーナーはこのように回答してくれます。
インベスターZ 11巻 より引用
こ、怖っ!!
これを見ていると「個人店経営者の考えることって、ある程度似ているところがあるのかな」と感じました。
「個人商店にとって、成長と拡大は悪魔のささやき」
って。なんかグサッときますね(笑)
ビジネスをはじめると、「広げる」ことを考えるのがふつう。だんだん「縮小していこう」と思う人はあまりいませんよね。
でもだからこそ、時々原点に帰って「3つのS」を思い出すのは大事だなと感じています。
4つめのSを考える
ところで、もうひとつ、わたしには4つめのSが思い浮かぶのです。
それはSustainable(サステイナブル)。
企業経営的にいえば、「環境に配慮した経営」ですが、個人店でいえば、もう言葉そのまま、「持続的に経営を続けていく」が重要だなと。
田舎の店は「続くことが使命」
都会のように店が乱立しているとわかりにくいですが、地方ではひとつ店が増えただけでパッとその周辺が明るくなったように感じます。
逆に、ひとつ店が減ると、その寂しさたるや、都会の人には想像がつかないと思います。
田舎では、店は街灯みたいなものです。
わたしは、とにかくここではまず「店が存続することが大事」だと感じるのです。
「続けることが目標」って、なんだか志が低いように思われるかもしれませんが、どんなに細くてもいいからただ続けることが、田舎の店の使命のようにすら感じます。
街灯って、インフラですしね。
今後のわたしたちのカフェ
さて、わたしたちの今後について。
オットとふたり、よく話し合うものの、いまはまだ「目の前のことをきっちりやっていこう」というところでまだ一生懸命なところもあります。
ただ今の自分たちのカフェには、「スリム・シンプル・スロー」&サステイナブル、がすごく合う場だなぁと思っているので、そこは原点として考えていきたいと思います。
ただ、個人店がすべて「成長と拡大」を避けろ、とはまったく思いません。
「世界制覇を目指す個人店」があってもいい。
パナソニックだって最初は個人店でしたよね。
個人店だからどう、と決めつける必要はなく、そこが自由にできることがむしろ個人店の良いところですから。
都会はどこも同じようなチェーン店が多いですが、魅力的な個人店に溢れる田舎はとてもオモシロいです。
インベスターZは久々に全巻購入したマンガですが、この巻に限らず、どこを読んでも面白くて参考になります。投資をやってみたい人はもちろん、そうでなくても、特に若い人には一読がおすすめです。