突然ですが、約1か月、フランスに滞在していました。
1か月間で訪れた都市やら町やら村やらは、30か所以上になります。
(正確に数えたらまたご連絡します)
パリやリヨンなどの大都市は少なめで、ほとんどが地方都市やさらに田舎の村でした。
ほとんどをレンタカーで回ったからこそのスケジュールですが、一言で言えば
まぁそらそうだわ。
- 期間が長い
- 移動が多い
- 外国で車を運転する
- 辺鄙なところへ行く
- 言葉が通じない(フランスの田舎は驚くほど英語が通じない)
- なるべく節約の旅である
想像するだけで疲れますよね。(特に最後の項目)
ただ、大変そうだからこそ、やっておきたかったんです。
こんなハードな旅に出ようと思ったのには、やはり「夫婦とも50歳を超えた」という厳然たる事実が大きく影響しています。
石原裕次郎も美空ひばりも、享年52歳。
と思うことが多々あります。
こういう対象と本気で比べるあたりが、わたしの厚かましい堂々たるところです。
最近では、作家の山本文緒さんが58歳という年齢で急に亡くなったのも、衝撃でした。
突然、すい臓がんが発覚し、「余命4か月」の宣告を受けてから亡くなる直前まで書かれた日記。
書くことでなんとか最後の心のバランスを保っているようなリアルさに満ちています。
誰にでも起こりうる話。一読オススメです。
ともかく、「いつ死ぬかわからないのだから、やりたいことをやりたい順にやっておこう」というのが、50歳を過ぎてからのわたしの信条になっています。
まぁ死ぬ話ばっかりしていて恐縮ですが、別にわたしも年中無休で死ぬことばかり考えているわけではありません。
最近では
という本がちょっと気に入りました。
やっぱりDIEじゃねーかと言われそうですが、これは”お金を使うタイミング”について語られた本なんです。
簡単に言うと、80代になって1000万円使って余命を多少伸ばすよりも、20代で100万円使って大冒険をする方が、一生を振り返ったときに生きたお金の使い方なんだよね、というようなことを提唱しています。
「記憶には配当がある」という言い方もされているんですが、確かに、20代の楽しい経験って、そのあとの何十年もずっと楽しい記憶が残るんですよね。
80代になってからも楽しいことはあるかもしれないけど、そもそも記憶力があやしくなりそう。
世の中がとにかく老後に向けて資産を増やせ!貯めろ!ぎりぎりまで使うな!みたいな風潮の中、「本当にお金を使うべきタイミング」に焦点をあてて書かれたDIE WITH ZEROは、意外さと新鮮さを持って迎えられたのだと思います。
実際には、お金だけではなく、限られた体力や気力をいつ何に使うのかというのも、合わせて考えるべきなんでしょうね。
フランスに長く旅行する(した)と言うと、反射的に「いいなぁ~」という反応を頂きがちなんですが、わたしたち夫婦からすると、今後の人生を見据えたいろいろな課題を抱えての旅。
なので旅行というより研修、いや修行みたいな一面もあり、何かを得て帰らねばならない、という悲壮な決意(?)みたいなものもありました。
それに、行ってみたら「フランス、インフレで物価高い」「超円安で泣ける」「地球温暖化で、涼しいはずのフランスもクソ暑い」というグローバルな課題やら、「どこ行っても石畳多すぎで足疲れすぎる」「知らない場所でトイレ探すのムズすぎる」「マロニエとかで超花粉症」などの個人的な課題やらが重なり、当初の想定よりも、さらにハードだったのも事実です。
帰国したら夫婦ともに白髪が思い切り増えてました。
そんな旅行聞いたことある??
とはいえです。
フランスは一言で言えば、やはり
としみじみ思いました。
成熟した都市の文化が世界をリードしている一方で、どんな田舎の町や村でも、田舎にしかできない美しい生活を享受している。1つの国に、豊かさの基準がいろいろあるんです。
もちろんフランス社会も100点満点ではないにせよ、日本とは違う種類の素晴らしさに満ちていました。
この国について、知らなかったこと、勘違いしていたこと、などなど、多すぎるくらいあったので、本当に行って良かったなと思いました。
また引き続きブログでぽつぽつ書いていきたいと思います。
あぁ、その前に「古民家改修」の話を書くのも全く先に進んでない・・・