旅の途中で京都を通りかかったものの・・・
気温は37度!!!
そしてめちゃめちゃ人が多い!!
特に外国人の方が目立ちます。こんな暑い国で申し訳ないよ、ほんとに。
京都では、珍しく夫が下調べしてきた日本茶カフェだけ立ち寄ることにします。
行ってみるとそこは、京都御苑のすぐ近くにたたずむ日本家屋。
看板は小さすぎて全然わからない。なんども前をうろうろしてしまいました。

日日というギャラリーに併設された、日本茶カフェの冬夏さんです。
実はこちらは、ドイツ人のギャラリスト、エルマー・ヴァインマイヤーさんが経営されているんです。
そして奥さまは奥村文絵さんというフードディレクター(日本の食文化を国内外に発信し続ける)のかた。
エルマーさんは、もう30年ほど前から京都にいらしていて、彼が毎日飲み、美味しいと思っている最高の日本茶を試せるのがこちらのカフェなんですね。
といっても、メニューも出てないし、「営業中」とも書いてないし。
ただでさえ、京都のお店はちょっと敷居を高く感じるのですが、恐る恐る中に入ると・・・
次の間。

そして、その横には

わずか6席のカフェです。
メニューは、「煎茶+お菓子」のセットのみで、お茶の種類によって1,500円~2,000円くらい。
こちらのお茶はすべて滋賀県の朝宮茶で、中でもかたぎ古香園さんという、40年にわたって無農薬栽培を貫く農園のものなんですね。
この日はわたしたちの貸切状態で、スタッフの女性はつきっきりでお茶を入れてくださるという、なんともまぁ贅沢すぎる時間!
ちなみにスタッフの女性は、埼玉から京都に移住したという、若くてとっても可愛らしいかた。明るくて、いろいろおしゃべりさせてもらいました。
何度も何度も、お湯を急須と湯のみと片口とを行ったり来たりさせて淹れてくれるので、
「なにか、煎茶道みたいなルールがあるんですか?」
と訊いたら、
「オーナーが型にはまるのが大嫌いなので、彼が自分でいいと思った淹れ方がこれなんです」
とのこと。んー、なんかドイツ人らしい頑固さがうかがえて素敵だ。
一煎目は驚くほどぬるいんですが、それが今まで味わったことのないような、「まあるい味」のお茶でした。しかも「とろり」としている。
2煎、3煎とそれぞれ違う味に。味の変化がおもしろくてなんと6煎目まで飲んでみた!
これだけ飲めるというのは、「お茶の葉がとっても元気だということ」。
そしてたっぷり茶葉を使ってくれているということ。

ちなみにこの味わいのあるうつわは長野県のアツムイ窯、森岡光男さんによるもの。
とても手触りのいいうつわでした。

温かみがあって、素朴なのにそれでいてスタイリッシュ。

お茶うけは、和菓子かカカオから選べます。チョコじゃなくてカカオなんですよね。
ハワイでものすごくこだわって作られているという、純度の高いものです。
カカオ80%くらいで、砂糖も本当に最小限。
美味しく食べられるギリギリまで攻めている感じで、お茶と同じくらいのインパクトが。

そしてこちらが本体のギャラリー。築100年の古民家ですが、素晴らしく美しくリノベされていて、それはもうただ快適な空間でした。

中庭が美しすぎます。

オーナーのエルマーさんは30年も在日ならばもう日本人同然だとは思いますが・・・なんていうか、こういう日本のよさは外国のかたに教えられることがままあるんですよね。
日本では、抹茶はともかく煎茶はかなりカジュアルな位置づけで、おうちでお母さんがジャジャって淹れちゃうものじゃないですか?
せっかくの日本独特のお茶を、ちょっと雑に扱ってきたな。と反省する気持ちになりました。
そして良い場所に巡り合えて、良かったな。とも。
ティールーム冬夏
京都市上京区信富町298
075-254-7533
10:00-18:00(火曜休)