読む

千葉敦子の潔い生き方に背中を押される。「昨日と違う今日を生きる」

こんにちは、ななみんです。

大げさではなくわたしの人生を変えた(良い意味で)、とっておきの1冊を紹介します。

この本は、

自分の人生は、何かを変える時期が来ている

と感じている人のためにある本です。

ジャーナリスト・千葉敦子とは

千葉敦子さんは1970年~1980年代に活躍した女性の国際派ジャーナリスト。

東京新聞で経済部記者をしたあとにハーバードへ留学、「アジア・ウォールストリート・ジャーナル」「フォーブス」「フォーチュン」等に寄稿するフリーランスジャーナリストとなりました。

残念なことに乳がんをわずらい、1987年に46歳の若さで亡くなっています。2017年で没後30年となります。

40代女性。独身。ガン。あなたならどうする?

この本は、彼女が40代に入り、乳がんが再発したところからはじまります。

しかし彼女は、この年の年末、単身ニューヨークに移住することを決めていました。

ニューヨークのフリーランスジャーナリストの生活は、東京以上に不安定で厳しいものです。仕事は減るかもしれないし、家賃は当時ですら20万円する・・・

健康でもうまくいくかどうかわからない中で、

40代女性。独身。ガン。

しかも、めちゃめちゃ医療費の高い米国です。わたしならとても移住はできない・・・

千葉敦子の生き方・考え方

この本では、彼女の生き方・考え方(特にガンをわずらってからの晩年において)が語られています。

ざっくりまとめると、わたしにとって響いた点は以下の5つでした。

  1. 常に「自分はここにいていいのか」と問い続ける
  2. やらない理由はない。どうすればできるかだけ考える
  3. たくさんのひとと、少しずつ頼りあって生きる
  4. ガンという病気には付き合い方がある
  5. 仕事を本気で追求したら自然と「断捨離」「ノマド」に

ともかく読んでみると驚くのですが、30年前に書かれたとは到底思えないのです。

「やれる人」というのは、普遍的なんだろうと感じます。

常に「自分はここにいていいのか」と問い続ける

彼女の考え方の基本は、常に「自分はここにいていいのか」と問い続けること。NY移住を決めたのもその考えからでした。

引用します。

同じ仕事をあまり長く続けていては、成長しなくなるという強い恐怖感があり、またせっかく二十世紀後半に生きる幸運に恵まれたのだから、一つの文化の中で一生を終えてしまってはならないと思っているのだ。

キャリアの面から見ると、明らかに次のステップを踏み出す時期にきていた。

「もし命がすぐ終わらないとしたら、残りの人生をどこで過ごすべきだろうか」という疑問が、絶えず念頭を離れなかった。

いまこそリスクを冒してやってみるときなのだ。自分の内面に住む強い欲求に耳を傾けよ。

このまま東京にとどまっていたら、ジャーナリストとしては徐々に死んでいくのではないか。

 

NY移住を進める過程で「がん再発」となったわけだけれども、それより「自分への問いかけ」「ジャーナリストとして必要な場所」を優先したのは、彼女にとってはごくごく自然なことのようでした。

やらない理由はない。どうすればできるかだけ考える

しかし、米国はとてつもなく医療費の高い国です。ガン患者の前に現実として立ちはだかるのは医療費の壁。

ガン患者は億万長者でない限り実質的に生きることを拒絶されているという事態に烈しい怒りを抱いているのだ。

アメリカの医療費の高さは世界一で、公立の病院でも病室使用料は1日10万円は下らない。ボストン市立病院で昨年胃ガンの手術を受けたある女性は、37日間の入院で、5400万円を請求された。

一体なんということだろう。いったんガンにかかったら、一切保険にははいれないということなのか。億万長者でもない限り払えないような治療費の高さなのだから、保険がなくては治療を受けることもできないではないか。

それでも千葉さんは、いろいろなフリーランスの仲間のツテを頼って入れる保険をなんとか探していきます。「どうやればできるか」だけを考えて。

たくさんのひとと、少しずつ頼りあって生きる

頼るべきは、金融資産ではなく人的資産

重い病気にかかると、それまでの人生の決算表を見るような事態になります。

それまでに自分の頭と心と体と時間とエネルギーを何に使ってきたかが、はっきり示されます。

友情をどれだけ育ててきたか、もその一つです。

千葉さんは20人くらいの友人に少しずつ頼ることにしました。

たとえば、「食品を買ってきてもらう」「掃除をしてもらう」「花を選んでもらう」などのことを、特定の人にずっとお願いすると負荷だけど、20人で分ければ1人あたりは1カ月に1度か2度のお手伝いで済む。

これ、依存ではなくてとても知的なやりかたですね。千葉さん自身も、誰かを常に助けることを意識しているのです。

ガンという病気には付き合い方がある

ガンは誰でも罹る可能性のある病気です。

だからこそ、こういう心構えはとても参考になる。

再発したからといって、私は人間としてのオートノミー(自主性・自律性)を失うわけではない。行動が多少制限されるとしても、自分の生活を切り廻し、仕事を続け、楽しみを持ち続けられるのだ。

自分でものごとを整理する時間的余裕があるのが、がんという病気の特徴。

「鍛えられるから、がんも悪いことばかりではない」なんて、そこまで達観したことは言えそうにないけれど、覚えておいていいことだと感じます。

最悪の場合を予測して、気持の準備を進めつつ、なお現在の一日一日を充実させようという意志を持つようになるから、精神的にも鍛えられる。ガンにかかることも悪いことばかりではないのだ。

無闇に再発を怖れる必要はなく、栄養と休息に気を配りながら冷静に闘病すればいいのだとわかった。

 

仕事を本気で追求したら自然と「断捨離」「ノマド」な生き方に

千葉敦子さんは、いまでいう断捨離・ノマドを早くから実践していたひと。何が人生で重要なのかはっきりわかっていたんだなと感じました。

私は、基本的には、いつどこの国にでも引っ越せるように、最も簡素な生活をしようと心がけている。 最小限の、どうしても手離せない愛読書。組み合わせのきく最小限の衣類。長年愛用している小型家具のいくつか。 

タイプライターと原稿用紙とテイプレコーダーさえあれば、とりあえず仕事はできる

 本気で戦うには身軽であること、は、もう当たり前のことなのかもしれません。

千葉敦子の金銭感覚が衝撃的

ところで、わたしが一番驚いたのはココでしょうか。

私は貯金を持たないことを生活信条とし、少しでも収入が支出を上回った月(めったにないけれども)は、余った分を施設や運動に寄付している。

だから手持ちの金は乏しいけれども、どこかから借金する手はあるだろう。そして生きてさえいれば借金を返す手立てはあるはずだ。

若いうちから資産運用とマネーリテラシーを、という考え方が一般的なこのごろだし、わたしも「守り」とか「保険」のようなことを常に考えてしまいます。

でもほんとうに大事なことってなんなんだろう。

千葉敦子のおカネに関するこの言葉を思い出すたびに、ちょっと考え直す機会になるのです。

まとめ

ジャーナリストらしいこの一文が好きです。

ガンとの闘病は、戦場の取材とは趣を異にしますが、報道しつつ死ぬ、という意味では同じです 

わたしが「会社を辞める。」と決めた、最後の背中を押したこの一冊。会うべき時に会った本のような気がしました。