旅は東京を出て、一路岩手県にやってきました~!!
東京が35度を超えている中、18度ですよ。8月に18度。
やっほー涼しい!
・・・てか寒いよ!23度くらいにして!
さて、岩手には焼き物はあまりないなと思っていたのですが、代わりに目についたのが南部鉄器。盛岡市や水沢市を中心に作られている、鉄製品です。
南部鉄器は、国内販売が下火になっていたところ海外(特にお茶文化のある台湾)から火がついて、数年前からリバイバル、今は国内外でかなり人気となっている伝統工芸品です。
昔はすべての材料(鉄、粘土、うるしなど)を県内で調達できたとのことですが、今は過剰採取などの原因で枯渇してきているとか。
それでも製法は昔のまま、手作りのものが手に入ります。
この鉄瓶でお湯を沸かすと、塩素が取れてまろやかになると聞いたのでちょっと気になっていたんですが、なかなか買う機会もなく。
こういうのは現地に行った時が、買う勢いがつくものなんですよね~
というわけで、今日見学したのは、盛岡市内で有名な、岩鋳さんと、釜定さん!
岩鋳さんは工房で、職人さんもたくさんおり、「工業製品」である鉄器と、「伝統工芸品」である鉄器の両方を扱います。
「工業製品」である鉄器は、ひとつの型からたくさんの鉄器が鋳造できますが、細かな技巧は施せません。また、厚みが出てしまい、重くなります。数千円から買えるものがあります。
「伝統工芸品」のほうは、2週間もかけて作った型から、せいぜい5個しか鉄器が鋳造できません。その分、見た目が精緻で、薄く軽く丈夫なものができます。お値段としては少なくとも30,000円以上。
素人には見た目だけではなかなか見分けがつきませんが、せっかく求めるならやはり工芸品のほうが欲しい。
岩鋳さんの入口。
工房のようす。曜日と時間によっては、鉄を入れる瞬間も見学できるようです。
こちらが伝統工芸品。
こちらが工業製品。
実はこちらは工業製品といってもわりと価格が張るほうで、工芸品とあまり変わりません。余計わかりにくい・・・
こっちは、特に最近外国人を中心に人気の高い、カラーの急須(ただ、こちらは直火にかけられないので注意!あくまで急須です)。
数千円と、求めやすい価格で、これはこれで可愛いですよね。
中国系のお客が多いせいか、赤、ピンクが人気だとか。
そしてこちらは、砂鉄を使った上級品!値段は急に20万円以上で高いものは100万円以上も。
しかし美しいです。これは別格で、観賞用とか、特別な用途のある人用かも。って言っている間に、さらっと十数万円の商品を中国人が買っていきましたが・・・
さてもうひとつ気になっていた「釜定」さんへも出かけました。こちらは「作家もの」といったところでしょうか。特に女性を中心に人気のお店です。
街中にあるお店は小さいですが、センスが溢れています。
静かなたたずまいですね。
鉄瓶がずらり!
微妙な違いのモノが並んでいます。お値段は、3万数千円のものが中心ですが、もちろんもっとお高いものもたくさんあります。
丸っこいものは容量1.5リットル程度。
オシリがすぼまっている形は1.4リットル。これくらいが使い良さそう。
他のディスプレイも、黒一色なのに暗さがなく、シンプルで素敵です。
わたしがいちばん気に入ったのはこれですな!
ヨシ!!!と決めてお店の人に伝えたところ、
「ここにあるのは全部見本なんです。お渡しできるのは1年後で・・・」
「いいいい、いち・・・??」
ほんとに人気なんですね・・・(聞いた話では以前は2年待ちだったので少しマシになったとか)
とりあえず買わずにきてしまいましたが、やっぱり予約すればよかったかなぁ。後悔しそうだ!!
工芸品の鉄瓶は、値段だけ(3万円)考えると高いですが、作るには果てしない労力と細かい作業が必要で、それを知ると、むしろ安すぎるくらいです。しかも一生もの。
見ているだけでなぜかホッとする不思議な存在です。工芸品だけど、日用品だからですかね。
購入できなかったのは残念ですが、ずいぶん鉄瓶にも詳しくなったし、見ているだけで楽しい時間を過ごしたので良しとします。