手紙でしか予約を取らない宿。
今、なんて??
まさに衝撃・・・
いまどき「電話予約のみ」もちょっと引く中、手紙って???
ほんとに存在するんです。それがここ、岩手県の野田村にある「苫屋」さん。
南部曲り家(まがりや)という、この地域の伝統的の形式の古民家(築150年)を改築した、民宿&カフェです。
南部曲り家とは、このようにほぼ直角に曲がったおうちのこと。
一部が馬や牛を飼うスペース、一部が人が暮らすスペースと分かれているものの、一つ屋根の下になっているんです。
この地域では家族同然に大切な家畜を、屋内で大事に飼おうということからできた住居形式なんですね。
そんな古い民家を使った苫屋さんは、宣伝もほとんどしない上に、予約が手紙だけという面倒さにも関わらず、国内外に熱心なファンが多いと言います。
今回は手紙を出しているヒマがなかったので、予約なしでも良いランチをしに行くことにしました!
田舎道をぐいぐい山奥に進み、やっと到着!
入口を入ったようす。
内部はちゃんと暮らせるくらいにリフォームはされているものの、過度な修繕はなく、昔の雰囲気を十分保っています。
ご主人と奥さまは25年前に兵庫県から来られて、こちらで宿とカフェを始められたそう。無農薬・不耕起で育てた野菜を中心に、囲炉裏端でいただけます。
すすけた天井が長い月日を物語っています。
外の日差しが差し込んで、とても気持ちが良い空間。
この日のランチ。
手作りソーセージのえごま葉巻、サラダ、雑穀米。(コーヒー付で1,000円)
このソーセージがびっくりするほどジューシーで、スパイシーなのにクセもなく、ものすごく美味しい!!野菜とドレッシングは優しいお味です。
お部屋の調度品も、古い年月の経っていそうなものが、ちゃんと役割を持ったまま使われていました。
たんすがいいなぁ。
特に食器棚・・・
こちらはなんと100年以上前の、イギリス製コーヒーミル。これも現役!
ご主人が囲炉裏で焙煎したコーヒーをこのミルで挽いて、食後に頂きます。
このご主人がまた優しくて、ほのぼのしてて、それでいて関西人だからかやっぱり面白くて、とっても魅力的です。奥さまも明るくて楽しくて。
この日は、千葉から、高知から、岡山から、そして岩手県内からのお客さんがいて、最後はみんなが囲炉裏を囲んでおしゃべりになりました。
囲炉裏のチカラはなんだかすごい!みんなで囲むといきなり仲間感が生まれます。もちろんご主人夫婦の人柄によるところも大きいですけどね。
とにかく、普通の宿&カフェとはいろんな意味でまったく異なります。
ご主人夫婦はとってもフレンドリーなので、誰でも歓迎されることは間違いなし。
いろんなことを忘れてひととき、まったく異空間へ行ってみたいならとてもおすすめです。
わたしたちも今度は泊まってみようっと。
ちなみに泊まるお部屋はこんな感じ(一例)。
苫屋(とまや)
営業時間カフェ・ランチは午前9:00~午後6:00頃(ご予約不要)定休日毎週月曜定休
(但し、月曜日が祝日の場合、また、ご予約があるときは営業します)
【冬季休業】12月末~2月末日まで
住所〒028-8201 岩手県九戸郡野田村大字野田5-22
苫屋(とまや)宛
宿泊の場合、料金は1泊2食付6,000円(税込)。
予約は手紙かはがきのみなので余裕を持ってどうぞ!