世界最大の生物、それは鯨でもなく恐竜でもなく、
ジャイアントセコイア
という「木」なんだそうです。
木も生きてますから、生物ですよね。盲点!!
世界一大きい木<ジャイアントセコイア>は、アメリカのセコイア国立公園の中にあります。
セコイア国立公園、地理的には、サンフランシスコとロサンゼルスのあいだほど。どちらからも4時間~5時間くらいと、意外にも都会からアクセスしやすいんですよ。
ここに特に行きたがったのは、林業家を目指す、オットのほうでした。
わたしのほうは、最初は「ふうん、巨木かぁ」という程度だったのですが、行ってみたらその魅力に圧倒されました!
国立公園としては、ヨセミテ、グランドキャニオンなどに比べると日本での知名度は少し低いですが、その分少し空いているしゆっくり巨木のパワーを感じ取れます。
ぜひおすすめしたいです。
CONTENTS
セコイア国立公園は「シャーマン将軍の木」から
国立公園の入り口です。国立公園はどこも混雑しますが、朝一で行ったこともあり、セコイアは比較的すいているほうでした。
国立公園の年間パスポート、America the beautiful pass を見せて通過。
セコイア国立公園には、ここだけに原生するジャイアントセコイアが密集しています。
なかでも有名なのが、「シャーマン将軍の木」と呼ばれるこちら。
駐車場から近く、割合にあっけなく到着します。
サイズ感がわかりにくいですが、赤で塗りつぶしたのがオット。どんなにしても、全景が映らない・・・
シャーマン将軍の木は、体積が1487立方メートル。高さ82メートル、根元の直径は33メートル。
もうよくわからないですよね・・・
この1本で、5LDKの家が40軒建つんですって。
樹齢は2000年を超えています。
セコイアは、成長が早い上に寿命が長い、という特徴があり、それがこの巨木を生成する大きな理由になっています。
「グラント将軍の木」も必見
実はセコイア国立公園は「キングスキャニオン国立公園」というところと隣接していて、ほとんどひとつの公園として扱われています(入場料も共通)。
そこにある「グランド将軍の木」、こちらのほうが、全景を見渡しやすい感じでした。
また、シャーマン将軍の木に人だかりがしているのに比べると、落ち着いています。
樹齢2300~2700年、高さ84メートル、根元の直径は31メートルだそうです。
青空に突き刺さるように立つ姿は、圧巻!!
名もなき「銘木」を探そう
セコイア国立公園がすごいのは、樹齢が数百年から2000年レベルという木が、「群生」しているところなんです。
樹齢だけでいえば屋久島の縄文杉(4000年?)のほうが長いかもしれませんが、たくさんはないですよね。
セコイア国立公園の中を歩いていると、特に名づけられていないけれど、「将軍の木」より高かったり太かったりしそうな木がたくさんあります。
「将軍の木」と同様に、これらのセコイアもジャイアント・セコイアと呼ばれ、セコイアデンドロン属に属しています。
壮大で贅沢な森林浴ができます!
見てるだけで、寿命が延びそう。
ペアルックで歩くご夫婦。
トレイル(歩道)は景観を損なわないように舗装されていますので、こんな感じでとても歩きやすいです。
森林を舗装、というと人工的な感じがしますが、人の歩くところを分けないと、人に踏まれて樹木の根を傷めてしまうのでしょうがないんですね。
無名でも、「将軍の木」より凄そうな木たちがたくさんあります。
「本当にスゴイ木は、あえて無名にして守っているのでは・・・」
とうがった見方をするオットとわたし(笑)
「アッ、あの木はスジがいいねぇ」などと勝手に品定め。
みなさんも、自分にぴったり来る木を探してみるのも面白いと思います。
インスタ映えするかな?トンネルログ
あと、倒れた木をくりぬいてトンネルにしちゃったトンネルログは見ておきたい!
(自動車も通過できます)
ここに限らず、倒れた木を除去せず、そのままにしているのがアメリカ流のようです。
セコイア国立公園の隠れ名所「モロロック」
さて、セコイア国立公園にはもうひとつ、ビックリする名所が隠れていました。
それが、モロロック。
ここから見える岩の上に登れるんだって。という軽い感じからスタート。
やけにうまく整備されています。
でも途中から少し厳しい箇所も。
だんだん怖くなる(笑)
ちょっと息切れしますが、20分程度で到着!
頂上からは360度のパノラマになり、シエラネバダの山の絶景でした。
「すごい登山」をした気分になれます。
もっと名所になってもいいと思うんだけどなぁ。
空気が最高に綺麗でした。
標高は6725フィート(約2050メートル)、納得です。
知っておきたい、国立公園の父「ジョン・ミューア」
さて、ここでひとつ追記したいのが、ジョン・ミューアという名前。
日本ではほとんど知られていない、でもアメリカでは誰もが知っている人です。
ジョン・ミューアは「ナチュラリスト」「自然保護の父」などと呼ばれ、アメリカで絶大に尊敬されている人物。こちらに来たら色々なところで彼の書籍やグッズを目にしました。
ジャイアントセコイアはかつて商業目的でひどく伐採されていましたが、その破壊から森を守り、セコイア国立公園設立のために最大の貢献をしたのが、このジョン・ミューアです。
もともとはスコットランドからの移民なのですが、シエラネバダの自然に惚れ込み、地質学の学びを深め(独学)、その一生をこの自然を守ることに捧げた人。
現在のアメリカの国立公園が「自然保護」の理念のもとにシステムだっているのは、このジョン・ミューアの生涯をかけた尽力あってこそと言っても過言ではありません。
オットから勧められた、この本を事前に読んでいったおかげで、セコイアやこのあと登場する予定のヨセミテ国立公園などについて、理解が深まりました。
ミューアについての伝記で日本語で読めるほぼ唯一の本で、ストーリーとしてもとてもオモシロく、アメリカの国立公園へ行かれる方はもちろん、そうでない方にも、大変お勧めしたい本です。生き方の手本のような本です。
セコイア国立公園、本当に素晴らしいところでした。