自営業としてやってみたいことがあるのですが、今は安定した会社員で、辞める勇気が出ません。どうやったら、自営業になる不安と向き合って超えていけますか?
という質問をあるところでいただきました。
いきなりですが、わたしは幼いころ、鉄棒の「逆上がり」が苦手だったんですよね。
なぜかまったくわかりませんが、
「回転し続けてしまって、足が二度と地面につかなかったらどうしよう」
という、内村航平でもできないようなことをやってのけてしまうことをなぜか恐れていたのです。
ちなみに逆上がりは強制されて(小学校の体育、大嫌い・・・)仕方なくやったところ、重力でいとも簡単に足は着地しました。当たり前体操。
なんだ、あの不安はなんだったんだ。子ども心にもアホらしく思ったことを覚えています。
なので、
不安の正体は自分が作り出した壮大なストーリーである可能性が高い
ということをわたしはかなり小さいときに実感していたといえます。
会社を辞める時も同様。
もちろん不安の塊だったけれど、どこかで「これも逆上がりかな」と思っていたんですよね。
逆上がりと脱サラを一緒にすると叱られそうなんですが、でも「不安」の正体って結局こんなもんじゃないんでしょうか。
なので、ご質問にあった、「不安との向き合いかた」。
脱サラ時は不安とは向き合わず、放置しました。
不安でもなんでも、やってみる。そうすればどこかに着地する。
そう思ったからです。
もしかしたら、なんかのはずみで鉄棒から落ちてちょっとけがをすることはあるかもしれませんが、逆上がりで死ぬことは、なかなかしようにもできない。
同様に、会社を辞めたら死んじゃうかもと思っていましたが、今日もまだ生きています。
だから「不安と向き合う」のは不要で、ましてや「不安を乗り越える」っていうの、もっと不要です。というか無理。
不安というのはまだ起こってないことについて考えることなので、それを乗り越えるっていうのは、「そこにない山を登る」みたいなもので、よく考えると相当にハードです。てか不可能なんですよね。
不安は乗り越えなくてもいいけど、準備はできる。そういう気がします。
リアリティを持って言ってみると、「会社を辞める不安」の9割は、経済的な不安で、あとの1割は、会社の肩書がなくなることへの、アイデンティティ喪失の不安というところでしょうか。
もし脱サラを少しでも考えているのなら、「この給料が半分以下になっても生活できるか」を常にイメージして暮らす癖をつけるといいと思います。
これが不安への準備です。
わたしも35歳くらいから、常にそれを意識してきました。
そのおかげか、現実には収入は会社員時代の半分以下になりましたけど(!!)、意外にも会社員時代とそれほどスケールもレベルも変えずに、「なんとなく暮らせている」という感じです。
人間は「落差」には弱い動物です。
会社時代にBMWに乗っていたら、脱サラして軽四ワゴンに変えるのは抵抗が出やすいんですよね。平気な人は平気ですけど。
わたしは自分の弱さを承知しているので、どんな状況でも一定水準の暮らしになるように人生全体を見渡しておくことが重要だと感じています。
以下に挙げる本は、月収10万円、年収で100万円そこそこで暮らす人を描いた小説やエッセイです。
<生きる不安を減らし気持ちが楽になるおすすめ本>
固定費を減らし、必要なものだけを選択し、いやなことはやらない。
これらの本に出てくるのはこんな共通点があります。
誰でも実行できるとはいいがたいですが、「こんな暮らしもある」と思うだけで、少し気持ちが楽にもなります。
また、こういう本にけっこうな人気があるのは、ミニマルな暮らしを心地よいと感じ始めている人が多いせいかもしれませんね。