思考

<<話題>>愛媛県の「#移住失敗」でバズっている動画について

#移住失敗がツイッターのちょっとしたトレンドになるほど、にぎわっています。

元ネタは、とある移住者の方がご自身の経験についてアップした、こちらの動画。

(いずれ削除されるかもなので)動画の内容をかいつまんでまとめておきますね。

  • 30代のAさんは、1年前、東京から愛媛県・新居浜市の限界集落へ家族で移住
  • Aさんの仕事は「地域おこし協力隊」
  • Aさんの住む集落には、”何年も補助金をもらいながら、何も成果を挙げていない団体”があり、影響力を持っていた
  • この団体は、問題が表面化しそうになると、そのときの地域おこし協力隊員に罪をなすりつけていた、と思われる
  • この地域では多くの協力隊員がこれまで辞めていった実績がある
  • Aさんは、この団体のためには働きたくなかったので距離を置いていた
  • すると様々な嫌がらせを受けるようになった
  • やがてAさんは体調を崩し、救急車で運ばれるほどに
  • 結局、Aさん一家新居浜市から離れ、別の場所へ転居(東京へは戻らず)

そんなAさんと家族のヒストリーを語ったこの動画は、2023年1月26日現在、330万回以上再生されるという大反響。
ツイッターでも、いろんな意見があります。

わりとその通り、と思います・・・

これも納得感がありあり。

一方で、もちろん移住者に苦言を呈するものもあります。

今回の動画の内容ですが、あくまでAさん側の話だけなので、100%鵜呑みにはしてません。相手側にも言い分はあるでしょう。

という前提は置きつつ、ですが

やはりわたしの個人的な感覚から言えば、このAさんの言っていることはほとんど真実なんだろうなー、気の毒だなー、というのが正直なところ。

だって、似たような事例をしょっちゅう「リアルで」聞くんだもの。

移住して定住したいなら、集落の人間関係に全力100%でコミットする。
または、逆にゼロ(=自ら孤立する)にする。というのが考えられます。

中途半端に絡むと、どこかで急にトラブルになるから!!

でもたいていは、100かゼロかなんて無理だから、難しい。

さらに言うと、トラブルなく暮らしたいなら、かなり突き抜けた存在にならないとダメです。
あるいは逆に、ド貧乏で「オロオロ歩き、デクノボーと呼ばれ」るような人なら、警戒されないのでそれもOK。

まぁこれも100かゼロかなんですけど。

周囲の人から、「あれくらいのことなら、俺でもできるのに、なんでアイツだけうまくやっちゃって」と思わせちゃうような中途半端な成功者だと、格好の嫉妬・攻撃対象になります。

要するに、田舎っていろいろ「極端」です。

ここまで読んでいただいたら、「ホントに、田舎の人間関係ってめんどくさ」と思われるかもしれません。

自分が田舎に住んでいるから言うわけでもないんですが、田舎って、人間関係=インフラのひとつなんですよね。

いざというときに助け合うために、普段からお互いに踏み込んでいるように感じます。

だって下水道も電車もコンビニもロクにないんだもの。急病はいきなりヘリコプターだよ。そりゃ自前でライフラインも考えちゃうよ。

逆に東京のような人口過密な世界では、「つかず離れず」が生きるスキル。

田舎ではひとつのライフラインである人間関係ですが、それが変質して「排他」になると、今回みたいな問題が起こる。

排他的、というのはAさんにとってはもちろん悲劇でしたが、集落側にとっても、滅亡一直線の道。

短期的な視点で見れば「俺らの平和な村」をエイリアンから守っているつもりのようでいて、実態はどんどん消滅のほうに向かっていっています。

だから、今回のこの動画のように田舎の実態が「これでいいのか?」「これは、理不尽ではないのか?」と世間に晒し、問うのは、よいことなんだと思います。

これをきっかけに「いろんな人が、日本の田舎について、知ること、考えること」がムーブメントになるといい。

おそらく、Aさんも、今回のことで「返り血」をたくさん浴びて、大変な思いをなさっているに違いないと思います。ホント、勇気のいることだと思う。

Aさんご家族には、新しい土地で幸せになって頂きたいですよね。

そして同時に、Aさんたちが離れた限界集落も、これを機に良い方向に変わることも祈りたいです。