こんにちは、ななみんです。
自宅の本を整理していたときにふと出てきたこちらの本。
10年ほど前に、かなり流行った本です。
とはいえ、実は書かれたのは100年ほど前、と、かなりの古典的名著なんですよね。
改めて読んでみるとあまりに良書で、当時しっかり読まなかったことを後悔・・・
生き方について学ぶなら、
この1冊だけで良かった
と言える本です。
というわけで、全世界で聖書に次ぐベストサラ―とさえ言われている本書について、エッセンスをお伝えしたいです。
というより、自分が吸収するためにほぼ写経の気分で書きました。
もう本を買わなくてもいいや、と言ってもらえると嬉しいです。(営業妨害?)
CONTENTS
ジェームズ・アレンってどんな人?
著者のジェームズ・アレンは「謎の哲学者」と呼ばれる人物。
1860年イングランドのレスターで生まれましたが、15歳で父親が破産、その後死去。
そのため、アレンは学校を辞めて働き始めます。仕事を転々としながら、38歳からは執筆活動に専念。
しかしそのわずか9年後、1912年に他界してしまいます。
残した書籍は19冊ありますが、なんと英国以外での著作権は放棄していました。
しかしそれがゆえに、彼の書籍は世界中で読まれまくりました。
とはいえ作家としての収入は乏しかったと言われています。(そりゃそうだ)
後年、夫人が
「夫は人々に何らかのメッセージを伝えたい時にだけ、書いていました。そして、彼が人々に伝えたいメッセージとは、彼自身が人生のなかで実際に試してみて、良いものであることを確認したもの、それだけでした。」
と語っています。
アレンの執筆生活
執筆に専念してからのアレンは、イングランド南岸の保養地イルフラクームに移住。
静かな環境で、朝は丘の上まで散歩して自宅と海を眺めながら1時間ほどの瞑想。
午前中は執筆。午後は家庭菜園で農作業をしながら過ごします。
ところが夜は黒いビロードのスーツに着替えて、友人たちと瞑想や哲学について語るという生活を送っていたのだそうです。
なんという紳士ぶり・・・!
48年という短き生涯で、かつ苦労の多い青年時代を送ったようですが、執筆活動の間はとても満ち足りていた感じがします。
「原因」と「結果」の法則の原題について
邦題は”「原因」と「結果」の法則”、ですが、原題は
AS A MAN THINKETH
「人は思った通りの人間になる」
という意味です。
タイトル的には、AS A MAN THINKETHのままのほうがしっくりします。
「原因」と「結果」の法則の内容
この本は7つのパートに分かれています。
1パートずつ、わたしの気にいった箇所を取り上げます。
思いと人格
まさにタイトル(AS A MAN THINKETH)の通りですが、
人は誰も、内側で考えているとおりの人間である
ということを述べるパートです。
人格は、私たちがめぐらしているあらゆる思いの、完璧な総和です。
と言い切る。「親」「環境」「学校」「会社」「世の中」「時代」では人格は決まりません。
心という思いの工場のなかで、私たちは自分自身を破壊するための兵器をつくりつづけることもできますし、強さと喜びと穏やかさに満ちた美しい人格を創るための、優れた道具を作りつづけることもできるのです。
そして
人間は思いの主人であり、人格の制作者であり、環境と運命の設計者である
ということです。
ただこの境地に達するには、
- 自分の思いの数々を観察し、管理し、変化させながら、
- それらが自分自身に、またほかの人たちに、さらには自分の人生環境に、どのような影響をおよぼすものなのかを入念に分析し、
- 忍耐強い試みと分析によって、日常的で些細な出来事をも含む、自分のあらゆる体験の「原因」と「結果」を結びつける
ことが必要なのだそうです。
自分の日常、あまりに何気なく過ごしてしまっていますね・・・
思いと環境
本書で、もっとも多くのページが割かれているのがこの「思いと環境」のパートです。
シンプルですが、一番ハッとした言葉がこちらでした。
環境は思いから生まれる
環境は自分で選びとっていると思ってきたので、「思いから生まれる」というのは少々意外な気がしました。
私たちの環境を構成しているさまざまな状況は、どれもがみな、それぞれに、私たちの人格を構成する特定の重要な要素のあらわれである
人間は環境の産物ではなく、むしろ環境が人間の産物なんだと。
なんでも環境のせいにしたがる人は100万回くらいこのフレーズを読むべき▽
私たちは自分を環境の産物だと信じているかぎり、環境によって打ちのめされる運命にあります。
そして耳の痛い話・・・
人々の多くは、環境を改善することにはとても意欲的ですが、自分自身を改善することには、ひどく消極的です。
自分自身を改善するということは、真の意味での自己犠牲を払うということにほかなりません。真の自己犠牲とは、心の中からあらゆる悪いものを取り払い、そこを良いものだけで満たそうとする作業です。
自分の改善には、自己犠牲が必要です。ここらへん、わりとストイックで自分に厳しい話。
例として、「暴飲暴食で慢性病を患う、裕福な男」の話が挙げられています。
彼は自分の欲望は何一つ犠牲にせず、莫大なお金をつぎこみ健康を取り戻そうとしています。こうした人は、「良い結果に狙いを定めながらも、結果と調和しない思いをめぐらすことでその達成をみずから妨害している人」です。
良い思いや行いはけっして悪い結果を発生させませんし、悪い思いや行いはけっして良い結果を発生させません。これは、トウモロコシからはトウモロコシ以外のものはけっして成長しないこと、あるいは、イラクサからはイラクサ以外のものはけっして成長しないことと同じくらい明らかなことです。
ここで本書に出てくるキーワードをまとめたいと思います。
好ましい(ポジティブ)キーワードのほうで、人生を埋めていきましょう。
ポジ | ネガ |
|
|
最後にこの言葉を。
私たちは、自分の環境を直接はコントロールできないかもしれません。でも、自分の思いは完璧にコントロールできます。よって、私たちは間接的に、しかし明らかに、自分の環境をコントロールすることができます。
思いと健康
このパートは、こんな言葉ではじまります。
きれいな思いは、きれいな習慣を創りだします。自分の心を洗わない聖者は、聖者ではありません。
「肉体は心の召使いです」とも書かれています。
環境が「思い」から作られる以上に、肉体は完全に心の支配下にあります。
人間は、けがれた思いをめぐらしつづけている限り、けがれた血液を手にしつづけることになります。
いくら食生活を改善しても、自分の心を改めようとしない人間には、ほとんど効果がありません。
肉体は心の住処、まさにそうしたことを述べています。
思いと目標
「思いと環境」のところでも触れていますが、目標を達成するには自己犠牲が求められますが、その根源に必要なのは信念です。
人間を目標に向かわせるパワーは、「自分はそれを達成できる」という信念から生まれます。疑いや恐れは、その信念にとって最大の敵です。
アレンのいう「人生の目標」が指すところはさまざまです。
その目標は、そのときどきの内側の状態にしたがって、精神面の理想であることもあれば、物質的な目標であることもあるでしょう。そしてそのどちらであっても、もし人生の漂流者となりたくないのなら、自分自身の思いを、みずからの手で設定したその目標に集中して向けつづける必要があります。
哲学者であるアレンですが、このあたりはとても現実主義▽
自分の思いを、はかない夢物語やあこがれ、妄想などの上に漂わせたりするのではなく、その目標に集中して向け、意欲的に達成をめざすべきです。
ドリーマーになるな。でも失敗は恐れるな。
個々の失敗は、それぞれが輝かしい未来に向けた新しい出発点にほかならないのです。
目標が見つからない、好きなこと、やりたいことがわからない、という人は、この言葉を参考にしてみたらどうでしょうか▽
大きな目標を発見できないでいる人は、とりあえず、目の前にある自分がやるべきことに、自分の思いを集中して向けるべきです。その作業がいかに小さなものに見えようと、問題ではありません。そうやって、目の前にあるやるべきことを完璧にやり遂げるよう努力することで、集中力と自己コントロール能力は確実に磨かれます。
そしてそれらの能力が十分に磨き上げられたとき、達成が不可能なものは何ひとつなくなります。間もなく、とても自然に、より大きな目標が見えてくるはずです。
思いと成功
「思いと環境」、「思いと目標」でも述べられてきたことがここで昇華されてまとめられています。
人間は、もし成功をめざすならば、自分の欲望のかなりの部分を犠牲にしなくてはならないのです。
成功とは、「搾取する側」に立つことではありません。
人間は、あらゆる身勝手な欲望を放棄しているとき、搾取する側、される側のどちらにも属していません。そしてそのとき人間は真に自由な状態にあります。
アレンによると、「成功を手にできない人間」というのはこんな風にまとめられます。
- 自分の欲望を優先させる
- 明晰な思いがない
- 秩序だった計画を立てない
- 心を正しくコントロールする努力を怠る
- 責任ある行動をとれない
- 貪欲である
- 不正直である
- 不道徳である
この裏返しが「成功できる人間」であるということになります。
ビジョン
ビジョン=夢、と言い換えましょう。
気高い夢を見ることです。あなたは、あなたが夢見た人間になるでしょう。あなたの理想は、あなたの未来を予言するものにほかなりません。
夢の中で気高い自分を先に作り、その上に現実の自分を合わせていく。
それが「目標の達成」「成功」につながっていく。
「夢」というとふんわりした感じに聞こえますが、実はこれがどんな人間でも現実的に一番成功に近づきやすい方法のように思います。
でも怖いことに、ビジョンにはこんな作用もあるんですよね。
思ったことは、良いことでも悪いことでも、現実化します。
心に強く抱き続けるビジョンを、たとえそれが美しいものであっても、そうでなくても、いつしか現実化することになります。
最終的に必要なのは努力のみ。
人間が達成するあらゆる成功が努力の結果です。そして努力の大きさによって、結果の大小が決定します。そこにはいかなる偶然も介在しません。
穏やかな心
最後のパートでは、「穏やかな心」が実は成功にとっていかに大事なことかを語っています。
人間は、穏やかになればなるほど、より大きな成功、より大きな影響力、より大きな権威を手にできます。
なぜならば、人々はつねに冷静で穏やかにふるまう人間とのかかわりを好むものであるからです。
ほとんどの人が人生を自ら進んで苦悩で満たし、感情を高ぶらせ、心のコントロールを怠り、幸せをわざわざ破壊しようとしているのが現実社会。
最後にこの言葉を。
自己コントロールは強さです。
正しい思いは熟練技能です。
穏やかさはパワーです。
ななみん’s View
この本を読んで改めてまとめようと思ったのは、
ここに全部書いてある
と思ったからです。
思いっきり集約するなら、
- 環境は自分が創りだしている
- 成功には自己犠牲が必要である
- 正しい思いは訓練できる
です。
つい「ラクな方法はないか」「近道はないか」と考えちゃうわたしですが・・・怠け心を改めて省みました。
どんなにたくさん本を読んでも、結局原則は同じなのです。
新訳で手軽な文庫も出ているようなので折に触れて読み返すのも良いかなと思います。