田舎ライフ

「田舎はいろいろ役をやらされて面倒だ」の意味が少しわかってきた話

こんにちは、ななみです。

移住して4年目。
わたしたちの住む集落は、お祭り、草刈り、掃除などの行事も比較的少なく、穏やかに暮らしてきました。

なので、「田舎はあれこれ役目をやらされて面倒だ」という、田舎あるあるの意見を聞いても、「えー、そうでもないけど?」と思って過ごしてきたんですが。

移住4年目・・・

頼まれごとが増えてきた(;´∀`)

頼まれごと その1 民生委員

頼まれごとの最大が、「民生委員」。

知ってました?簡単な説明はこちら↓

「民生委員」は、民生委員法に基づいて厚生労働大臣から委嘱された非常勤の地方公務員です。社会福祉の増進のために、地域住民の立場から生活や福祉全般に関する相談・援助活動を行っており、創設から今年で100年の歴史を持つ制度です。また、全ての民生委員は児童福祉法によって「児童委員」も兼ねており、妊娠中の心配ごとや子育ての不安に関する様々な相談や支援を行っています。

(政府広報オンラインより)

主なケア対象は「子ども」「独居の高齢者」など、社会的に弱い立場にある方々で、核家族化により、家族だけでは目がいきわたらないところを地域でカバーしよう、といった感じのです。

そのほか、市役所や警察に行くのは大げさだけど、生活上のちょっとした困りごとについて、相談ができる相手。それが民生委員です。

この民生委員の任期交代の時期が来て、集落の区長さんに「やってくれんかね~」と頼まれました。

全然知らないのでまぁ大したことないだろうし何より、移住者としては地域の役に立つことができるならそれもちょっと嬉しいかな、とわりと気軽に引き受けました。

ところが思いがけず

区長さんや前任の民生委員さんに「ものすごく感謝」されたので、

もしやこれは大変なのでは

・・・とそのときになってなんか気づいたんですよね。遅かったけど(笑)

で実際、やってみると非常勤の地方公務員というだけあって、会議やら研修やら、意外と時間が拘束されます。

民生委員は、非常勤の地方公務員とはいっても、実態はボランティアで、ほぼ無給

そんな民生委員の現状の問題点は、「なり手が少ない」こと。

会議や研修は平日の午後に行われることが多いので、会社勤めの人には無理。
店舗経営者も無理。子育てママも難しそう。となると・・・

必然的に「仕事はリタイヤしたけどまだまだ元気」という人や、わたしのように「在宅ワークで子どもがいない」とか、「フリーター」などが民生委員候補になりやすいです。

しかし、高齢化が進みすぎた集落では、そんな候補になる人すらいない。
仮にいても、「1度引き受けると任期3年」という責務の重さや、拘束時間がネックとなって、これまたみんなやりたがらない。

都会ではこんなことで悩んだり、地域が困っていることなんてなかったので、同じ日本のこととも思えずびっくりしています。

思いがけず地方の集落の実情を知る機会となったわけですが、いろいろ問題は根深い。
ともあれ、引き受けた委員の仕事は前向きに務めてみようかなと思っています。

頼まれごと その2 消防団

ちらっと声をかけられた消防団。

これも知ってるようで知らなかった存在・・・

<消防団とは>

消防組織法に基づき,各市町村に設置される非常備の消防組織

消防団員は別の職業などに従事しつつ,火災や大規模災害の発生時に自宅や職場から現場へ駆けつけて消火活動や救助活動を行なう。

高知県香美市の移住応援サイト(いなかみライフ)では、移住を考える人のこんな不安に回答しています。

正直不安。田舎に住むと高確率で頼まれる「消防団」って何するの?

このサイトの説明によると、「消防団とは何ぞや」のポイントは2つあります。

  1. 非常勤公務員なので、活動はすべて公務。活動に参加すればお給料も発生(金額は団によって異なる)。
  2. 消防団の主な役割
  • 火災時の緊急出動
  • 地域行事(お祭り等)の警備
  • 出初め式
  • 訓練
  • 消防操法の大会
  • 広報

これだけ見るとわりとちゃんとした感じなんですが、一方で、「消防団 田舎」で検索したりすると、各地の消防団の問題が浮かび上がってきます。

  • 活動が多すぎて、団員が疲弊している
  • 実際には個人に手当が支払われず、消防団の運営費に回される
  • 飲み会が多すぎて苦痛

などの声も多数。
結果、こちらもなかなか人が集まらないという状況になっている様子です。

もし加入するなら、自分が消耗しないように、現状はよく把握することが大事と感じました。

参考になるブログ記事:

参考記事:消防団の闇は深い。現役消防団員が考える問題点とは。

まとめ

今までの人生で、「民生委員」と「消防団」なんて、誘われるどころかやっているという人に会ったこともなかったので、なんだかいろいろびっくりすることが多いです。

地域を守り、住民の生活向上のためにある組織という存在自体は間違いではないですが、それが移住の心理的ハードルにまでなってしまうほどなら、地元の人にとっても負担が大きいはず。

ひずみがあるとしたら、どちらも「非常勤の公務員」である以上、その大きな責任の所在はまず管轄の総務省(消防団)・厚生労働省(民生委員)。

と同時に、各組織が「過去の実績よりも現状を見て」、時代に即した組織運営にアップデートしていくことも重要になってくると感じています。