おかね

【40代男性、田舎で「生活費8000円」】に意見が殺到するワケ

こんにちは、ななみです。

東洋経済オンラインに掲載された、こんな記事が今、かなりホットなようです。

都会から田舎に移住して、【月8000円】で自給自足に近い生活を送る40代独身男性の話。

40代男性「生活費8000円」田舎暮らしで得た快感

この記事内容に、賛否両論が巻き起こってます!

CONTENTS

「生活費8000円の田舎暮らし」の概要

さて、まずこの記事の男性ですが、都内の新聞配達会社で20年間勤務し、「時間を切り売りする生活にうんざりして」田舎の生活に踏み切ったそうです。ここまではウチと同じ!

そして、この男性の生活費8000円の暮らし、概要はこんな感じです。

  • 三重県津市から車で1時間ほどの集落に移住
  • 築約100年の古民家を約100万で買って住む
  • 敷地内で野菜を栽培、味噌なども手作り
  • 自動車は持たない
  • ソーラーパネル兼用で、電気代は数百円~2000円(月)
  • ガス・灯油は使わない(薪などを利用)
  • ゴミは年に1回くらいしか出さない(出ない)
  • 周囲の移住組と食事をしたりして、寂しさは感じない。手土産は野菜

ふだんの現金支出は主に「米、アルコール、コーヒー」で、たまに両親が来れば、レンタカーを借りたり、観光に廻ったりするのでその費用だとか。

余談ですけど、ここまで生活費を切り詰めても残されている「アルコールやコーヒー」の存在ってすごくありませんか

都会の人には想像できないかもしれない、8000円生活。

ですが実際に田舎に住んでみると、現金をほとんど使わない生活をしてそうな人に心当たり(?)がけっこうあります。

なので「8000円」は多数派とは言いませんが、ありえる話だなーと。

「生活費8000円の田舎暮らし」に意見殺到のTwitter

さてTwitter上では一時トレンドになるほど、#生活費8000円に対する意見で沸いていました。

色んな意見がありますが、ざっくり分けると4つくらいかと。

パターン1:「8000円で暮らすなんて」全否定する人々

まず目立つのは、「8000円の人生」の全否定ですね。

生活費8000円の記事を少し見て、それはそれで立派な事なのかも知れないけど…そんな価値観の人間にはなりたくないなとしか思えませんでしたw

好きでやってる生活ならいいと思う。 私は嫌だね。寺とかご近所付き合いとかあるし、町会費に5000円も取られるし、高齢者多いから年に何件も葬式でなきゃならんし、車は必需品で維持費ばかにならんし。

生活費8000円の記事見たけど、あれは大半の人にとっては生活ではなく、ただの生存でしかない。 独身で友人との交流もない人以外は再現性0の話でしかない。 普通の人が金銭的、精神的に豊かになれる話を紹介してほしい。

ちょっとピントずれていますが、こんな意見も。

田舎だけど月の生活費8000円は無理だよ 田舎なめんなよ 付き合いとか変な会費もあるし 何やかんや搾り取られるんだぞ


パターン2:「ちょっと憧れる」「いいと思う」など寄り添う意見

2つめは、マイルドに肯定する意見。

もしこの額で本当に切り詰めて生活できると考えると、毎晩遅くまで残業して働いて身も心もくたくたになるのが馬鹿馬鹿しくなってきますね。

この生活費8,000円の記事は賛否両論あるみたいだけど、個人的には好き 物に溢れた現代では 足りなくて困る位の生活が心地良かったりする事もあるんじゃないかな それに、仕事が嫌で死ぬくらいならこんな選択もあるよと見せてくれた素晴らしい例だよね

記事の男性は、ツイッターで色々書かれているリスクはもちろん考えたろうし、それも承知or何とかなると思って田舎暮らしに踏み切ったんだろうね。可能な限りの準備もして。羨ましい・憧れるかどうかは別として、周りが簡単に批判できる行動ではないなぁ。知恵も行動力も勇気も必要。

批判的な意見が多いが「自分の心にうそはつけない」という言葉から、やりたいことを実践している人に対しての批判が不可解。 行動力だけで言えば一級品、私も含めて彼の行動力を見習う必要があると思う。 何事においても大成できる人間は行動力がある人間。


パターン3:「日本が心配」「老後は大丈夫か」評論家の意見

日本の発展や、老後を危惧するコメントする方もいます。

お金持ちの人とマサイ族の人とで幸福度があまり変わらないように、人として多くの物資がないと幸せではないと言うことはないと思う。何処ででも幸せに生きることはできる。でも多くの人がこの暮らしを選択した場合、日本の国の発展は無くなるんだろうな。

少なくとも、社会保険料は入ってないってことだよね? 年金とか保険とかその他税金とか、かなりの金額になるからこれだけじゃ絶対済まないよね…

“近くのスーパーまでは、スポーツタイプの自転車をこいで約1時間。帰りは坂がきついため、1時間半近くかかるが、苦にはならない”それは60代以上になると詰む生活やぞ…。


パターン4:「田舎なんかサイテー」という的外れの意見

ここで「田舎の良し悪し」を評価するのは本題とずれると思うのですが、なぜか「田舎そのものの全否定」に走る人も多数いました。よほど田舎でツライことがあったんでしょう。

本当に田舎が良いならみんな住んでるだろ。確かにメリットもあるだろうけどそれを上回るデメリットがあるんやで。村社会の人間関係は糞やぞ。超監視社会やで。娯楽が噂話しかないから。道をずーっと眺めて誰がどこ行ったとか監察してるバァさん居るし。

田舎のなにが暮らしにくいって人間関係だよ 初対面の人でも必ず共通の知り合いがいるから会話は噂話と陰口ばかりで嫌になる 娯楽がないからお金はかからないかもしれないけど心は死ぬよ 田舎の娯楽は噂話と陰口だから

田舎は百害あって一利なしで都内の一定の区が至高。 寂れた地方の景色見てるだけで悲しくなるね。 そこに面倒な人付き合いまであったら正に地獄。 それが良いって人には最適な場所なんだろうけどな。

それぞれの意見は、自分の弱みを映し出す鏡

「田舎で、月に生活費8000円の人がいますよ。」
「へぇそうなんだ」

・・・で済むような話に、ここまでみんなの気持ちがザワザワしてしまうことが興味深い。

この記事には、<8000円><田舎><40代>といくつかキーワードがある中で、自分が一番弱いところに、それぞれ反応しているように思います。

  • 田舎に現在(または以前)住んでいて、幸せでない人は、<田舎なんて>と否定。
  • お金で苦労している人は、<8000円で暮らせるわけない>という否定。
  • 自分の老後が心配な人は、<40代のうちはいいけど>と、男性の将来まで勝手に心配する。

つまるところ、「都会と田舎の生活がすっごく乖離してる」「働いても楽にならない人が多い」「将来の不安を抱えている」ところが、今の日本の闇なのかなと感じます。

我が家の意見

我が家はというと、<8000円><田舎><40代>のどこにもそれほど強く反応しません。なんかそこで悩むのは、もう通り過ぎた感じ・・・

むしろ、記事の男性の「ゴミを出すのは年に1度というライフスタイルにビンビン来てます。
我が家は2人暮らしのわりにゴミが多いような気がして、自分としてはストレスなんですよね・・・

ちなみにオットは

いくら自給自足でも、インフラ(道路・電気・病院etc)を完全に使わないということはないし、ある程度納税しようっていう意識は大切だと思う

という、ちょっと違う方向からの意見でした。それも一理あるな~と思います。

まあただ、この記事の男性の場合、これまで働いてきた20年でもう前払いしました、と言えなくもないかもしれないですね。

税金というのは、払った期間で計るのか、払った総額で払うのか、微妙なところですから。

ともかく我が家のスタンスは、「動けるうちは経済活動に参加して多少は納税しよう」という感じで一致してますが、

まとめ 「選択肢」としての生活費8000円ライフ

そもそも、20年前でしたら、こんな男性がいたとしても「あまりに変わり過ぎ」ていて、話題にすらならなかったと思います。

が、今はみんなの心に何かが刺さるからこの話題が取り上げられるわけで。

わたしは高度成長期~バブル経済も経験している世代ですが、日本人の価値観は、その後の長いデフレで完全に「低位安定」したような、よく言えば「成熟」したような、そんな気がしています。

いいのか悪いのか、本当の答えが出るのはまだ先の未来になります。
ただ「たくさん稼いでたくさん買おう」一辺倒だった価値観が、多様に広がりつつあるのは個人的にはウェルカムです。