こんにちは、nanami*です。
タイトルの通り、分譲マンションにかけていた地震保険をヤメました。
といっても、これは親の住む(関東の)マンションの話です。
親は保険のことがよくわからないので、わたしに丸投げなのです。
親が現在住んでいるマンションに移ったのは今から5年前の2014年のこと。
2011年の東日本大震災から3年経っていたものの、まだその記憶は生々しく、マンション買うなら当然、地震保険に入るものという考え方でした。
しかしよく聞いてみると保険料は約50,000円(5年分)となかなかまとまった金額です。
本当に必要なものかどうか、今一度冷静に考えてみることにしました。
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知らなかった【地震保険の目的】…
まず恥ずかしい話ですが、今まで地震保険=地震で壊れた建物を復建するための保険金、と思い込んで加入していたんですよね。
でも実は、地震保険とは、地震によってダメージを受けた日常生活を再建するための保険だったのです。
つまり、建物の再建はもちろんのこと、一時的な引っ越しのための費用、当面必要なものを買うおカネ、ホテル代などなど、地震保険の保険金の用途はなんでもいいんだそうです。
東日本大震災の様子を見てもわかるように、大地震からの「復興」「復旧」は非常に困難で時間がかかる。
大きな震災があったときに、両親が安心して過ごせるように保険による資金を用意しておくのはいいかもしれない。
全壊、半壊したマンションの再建は難しいのでは?
がしかし・・・
一時金はありがたいけど、保険が下りたところで、マンションを再建できなきゃ意味がないのでは?
戸建てなら自分さえ納得すれば、すぐにでも再建工事を決断できますが、マンションの場合、何かをちょっと直すだけでも【組合の了承】だの【住民集会】だのが必要になります。
もちろん一定の賛成数を得なければならない。
地震保険でおカネが下りたとしても、それ以外に各戸からの持ち出しが必要な可能性も大いにある。ていうか絶対に要る。地震保険入ってない人もいるし。
しかし、住民がみんなポンとおカネを出せるとは思えず、相当に住民の間でモメることが想像されます。
どうしても住み続けたい人と、「あ、じゃ親(子供)と同居するんでわたしはいいです~」って出て行っちゃう人もいるだろうし、一枚岩になりようがありません。
さらに、鉄筋のマンションが全壊・半壊するようなレベルの地震であれば、当然死傷者も出ているはずで、建物再建の話をするムードではない可能性が高そうですよね・・・
再建できたとしても、いつになることやら
奇跡的に「マンション再建」で住民がまとまるとしても、そこまでに数年。再建計画、工事期間など考えたら、10年単位で時間がかかりそうです。
うちの親、もうすぐ80代なんですけど・・・
マンションが立ち直る前に親が倒れますよね。
地震保険の保険料は割高!
それでも安い保険料なら入っておきますが、地震保険料って割高なんですよ。
しかも【都道府県別】で異なる地震保険料、一番高いのは東京・神奈川・千葉。
この1都2県は、保険金1,000万円あたり、年額で25,000円。5年契約なら割引がありますが、それでも10万円は超えます。
ちなみにわが高知県は高いほうではありますが、それでも15,500円。(もっとも安い県は7,100円です)
財務省が出しているこの表↓、なかなか興味深いです。
保険金額1,000万円あたり保険期間1年につき (単位:円)
いっぽう、地震保険の支払いは、このような計算方式になっています。
全損 | 保険金額の100%(ただし、時価額が限度) |
---|---|
半損 | 保険金額の50%(ただし、時価額の50%が限度) |
一部損 | 保険金額の5%(ただし、時価額の5%が限度) |
時価額=再調達価額から「使用による消耗分」を差し引いて算出した金額
うちの親のマンションにつけていた保険は500万円程度の保障ですが、それがフルに下りるのは【全損】のときのみ。
これまでの地震の報道などから見る限り、【全損】判定を得るのは難しいらしい。
生命保険の死亡保障と違って、建物の生死は基準がはっきりしないところが難点です。
損害程度は共用部分で決まる
さらにこれも知らなかったことですが、マンションの損害程度は【共用部分】の状況で決まるんだそうです。共用ってあのロビーとか集会室とかあのあたりですね。
専有部分(自分の住居)がもし無傷でも、共用部分が全損していたら【全損】という扱いになり、保険金が支払われる。
これはラッキー(と言っていいのかわかりませんが)、でも逆に、専有部分が全損でも、共有部分が無傷なら、保険金は支払われない。
・・・なんかちょっとギャンブルみたい。
結論:マンションの地震保険はとりあえずやめてみた
今回、地震保険を見直してわかったことは以下の通り。
地震保険を再考してわかったこと
- 地震保険の保険金は「何に使っても良い」のはGOOD
- ただし現実には「再建」できるほどの金額ではなく持ち出しが必要そう
- 再建できたとしても恐ろしく時間がかかりそう
- 全損となって保険金がフルにおりるかわからないのに保険料が高い
- 共有部分の状況に左右されるなど不安定要素が多い
新しいメリット・デメリットの発見がありましたが、総合的に言うと「運任せ」の要素が大きく、割高な保険料と価値が見合わないような気がしました。
一言で言って、どっちにしても巨大地震が来たらもう分譲マンションの建物自体は【諦め】るしかないのかもしれません。
ちなみに戸建てはまた考え方も価値も変わると思います。
なんだかんだ言って、賃貸って気楽だな・・・なんて思ったことでした。