仕事について

「石窯(ピザ窯)でコーヒーを焙煎」!?Part1

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たまたま「石窯がある」という奇跡

突然ですが、四万十の我が家の近くで石窯を持っていらっしゃるかたがいるんです。

石窯ってアレです、本格的なピザ屋さんでピザとか焼いているアレ。

その方から、「自由に使ってエエよ~」と言われたものの・・・

都会育ちはそんなもの使い方わかりませんよ・・・

ていうか、どこ育ちでも普通使いこなせないし!

だいたい石窯って「たまたまある」とか「自由に使っていい」ってもんじゃないよね。ジョウロとかじゃないんだから・・・。

この石窯の持ち主は、並外れた「趣味人」のかたなのです。

ともあれ、なんか石窯ってすごくロマンがある。薪ストーブとも似た魅力。「火」ってなんでこんな人を惹きつけるんでしょうか。これを使っていいっていうんは、もしかしてとてもラッキーなんじゃ・・・

 

なんて思っていた折、ふと夫が

石窯で、コーヒーを焙煎できないかな?

と。

ん?

確かにコーヒー好きなわたしたちですが、焙煎なんて考えたこともなかった。

しかも探してみたら、「石窯でコーヒーを焙煎する機械」が長野で買えるとか・・・

石窯+焙煎に取り組んでいる人がいた!

夫が見つけたウェブサイトを見たところ、本当に長野で「石窯コーヒー焙煎」に取り組み、専用焙煎機を設計している方がいらっしゃるらしい。

でもさ・・・

「石窯で焙煎したいよね~」「絶対したい!」「やらずに死ねないよね」

なんて会話がLINEで盛り上がってるなんて聞いたことないし、どう考えてもたくさん売れるものではなさそう。

つまりそんなことに真剣に取り組んでいるヒトはきっと面白いに違いない!

とわたしたちが勝手に想像をふくらませたその方が、長野県の一級建築士かつ大工、そして石窯も石窯コーヒー焙煎機も作っている、ササキウッドワークの佐々木さん。なんて多才な・・・

石窯作りはプロ、さらにコーヒーが好きなことが高じて、石窯でコーヒーを焙煎できるツールまで開発設計されてしまった様子です。

その多才ぶりと、佐々木さんが関東出身でいらっしゃることや、安定した企業を辞めて、好きなことで生きている姿勢まで含めて勝手に共感や憧れを覚え、面識もないのにいきなり連絡を取らせていただきました。

8月の私たちの旅に合わせたら、8月15日というドお盆時期になってしまったにも関わらず、ほんと快く迎えてくださいました。

長野県の石窯カフェKOKUYAさんにて

お会いした場所は長野県小県郡長和町和田の中心部(旧中山道の和田宿街道)にある、石窯カフェKOKUYAさん。

古民家を改装した、すごく素敵なお店です。

 

 

 

 

そのKOKUYAさんのなんと開店初日(の閉店後)におじゃまさせてもらい、そこの石窯を使って焙煎を見せて頂くことになりました!

本筋とはずれますが、長野の中山道の宿場町跡であるこの「和田宿」というところ自体が、古い街道・宿場町の雰囲気を残していて、良さそうでした。今度はゆっくり歩きたいな。

さて、そんな場所にある素敵なKOKUYAさん。中に入ったらこれまたステキな・・・

くつろげそう~!

 

インテリアのひとつひとつに、とってもこだわりを感じました。

カウンターもオシャレすぎます。

お店にばかり見とれてしまいましたが、本題です!

そもそも、なんで石窯でコーヒーを焙煎するのか?

佐々木さんの説明によれば、

石窯は珈琲焙煎をするのにとてもいい条件がそろっています。プロの使う珈琲焙煎機も重く大型のものを使います。もちろん一度に大量の豆を焙煎するからですが、もうひとつの理由に、その焙煎機自体が大型で重量があるゆえに蓄熱して遠赤外線を出す効果が大きいから、ということもあるようです。 ということはこれはまさに石窯と同じです。『石窯の高温と遠赤外線で珈琲焙煎をすれば、絶対に美味しいはず。』という思いで、実際に石窯珈琲焙煎に取り組みました。

とのこと。とっても理論的で納得ですね。

そして石窯でコーヒーを焙煎するのは、佐々木さん設計のこんな焙煎機。

じゃん!

四万十川でエビが獲れそうな道具ですね。

この四角い網のところに豆を入れ、火の近くに置き、手元のところでくるくる回して焙煎するのです。

石窯に突っ込むから、こうして長い柄がついているというわけ。

さっくり書いてしまいましたが、ここにたどり着くまでに佐々木さんの試行錯誤と奮闘があるんですよね。

早速、焙煎をしてみよう

佐々木さんと生豆を見ながらいろいろお話。コーヒー好きな方とお話するの、すごく楽しい。

今日の豆は、パプアニューギニアとグアテマラを使います。

選別して・・・

さっと洗い・・・

乾かして・・・

いよいよ焙煎です!

ところで佐々木さんのモノトーン石窯が、すごくモダンでかっこいいな!

石窯と言えば「レンガでカントリー調」とばかり思っていたんですが、いろんなデザインができるんですね~

デジタル温度計までついていてびっくり。2つあるのは、窯の底面と空中の温度がわかるように。

焙煎機は安全ですが、やけどには気をつけて・・・

エイ!

こんな感じで、火力を調整したり(薪に灰をかけたり)、焙煎機の位置を調節したりしながら、400グラムの生豆を17分くらい焙煎します。クルクルまわし続けるのみ!

がんばれ~(疲れそうだから夫にやらせよう)

ただあとから聞いたところ、支柱が2本あるおかげで焙煎機が預けられ、ほとんど疲れは感じなかったそう。

途中経過。半分くらいの段階。

さらにしばらく焙煎・・・そして完成!うちわであおいでます。

      

コーヒー豆は焙煎したてよりも少し置いたほうが美味しいので、帰ってから飲みました。

そしたらこれが、すごく美味しい・・・結構感動モノ!

同条件で一般的な焙煎機を使った味と比較はできないのですが、これ単体として、とても美味しいものです!

石窯スゲェ!!

佐々木さんに聞いたのですが、焼く、煮るといったほとんどの料理は石窯でできるといっても過言ではないらしい。そして美味しくできるのだとか。

石窯って、使いこなしたらすごい武器になりそうですね。

まとめ

改めて思ったんですが、良い時代になりました。

ちょっと前だったら、何かちょっと変わったことを思いついても、こんな風に実際やっている(しかも遠くにいる)方と出会うなんて絶対不可能。

これもウェブがあって、そして佐々木さんがご自身について発信してくださっていたからこそ出会えたご縁。とにかく発信は大事だな~と。

見ず知らずのわたしたちに温かくお世話くださった佐々木さんご夫妻と、開店直後の忙しいときに場所を使わせてくださったKOKUYAさんには感謝しかありません。

佐々木さんの石窯があちこちで使われているの、わかる気がするな~

※ ちなみにKOKUYAさん自体は石窯料理がメインなので、石窯焙煎コーヒーはないのですが、近くの自家焙煎コーヒー屋さんから仕入れて、サイフォンで淹れてくださるとっても美味しいコーヒーを頂けます

さて、わたしたちは結局この焙煎機を購入したのですが、どうなるでしょうか~?

続く・・・