思考

50歳を過ぎて、今まで知らなかった「持病」が判明

この春から、「咳」ばっかりしていました。

実を言うと、昔からよく咳の出る体質。
1か月くらいコホコホとしては、いつの間にか治る。

もう何年もその繰り返しでしたね。

花粉症でも咳の症状があるので、春先になると、もう何が何の原因なんだか!
よくわかりません。

さて、この春からの咳も、「いつものあれ」と思っていたのですが、かなり長く続く。

4月の終わりに、さすがに病院に行ったんですが、そうそうまだコロナが2類だった。

「咳」というとまずコロナを疑われ、まともに診療すらしてもらえないんですねー。

ある病院では、受付で完全に門前払い。
リアル門前払い、というのを人生ではじめて経験。

別の病院では、コロナ対策の別室に通されて、問診だけで
「うーん、まぁ気のせいでは」
「よくあるエヘン虫というか」
とか。超やる気ない…

しまいには、「我慢できるくらいの咳なら、我慢してみては?」というナゾの解決策。

さすがに「もういいです」と帰ってきました。
市内ではわりと人気の病院ですが、二度と行かねぇ。

結局、そんな状況を引きずったまま海外に行ったんですが、旅行の間も咳は一進一退。
というか、現地ではさらにフランスの樹木による花粉症が発症してしまう始末。


良く知ってる薬がドラッグストアで簡単に買えてよかった。

帰国してから、また病院に行こうと思ったものの、もう市内には頼れそうな病院が思いあたらない。

とうとう頼ったのがなんとグーグルの口コミ!
ランチ探してんじゃないんだからさ~、と自分に言いながらも、もうこれしかない。

なるべく近くで、評価4.5(→しっかり判定する)の呼吸器内科、よしここだ!
と向かったのが、なんと自宅から2時間もかかる愛媛県の病院でした。
これが一番近いという、田舎の厳しさ。

しかし気合を入れて選んだだけあって、とてもしっかりした病院でした。

まず、呼吸器の専門の検査機械が充実しており、それまでやったことのなかった「フゥって吹いて、喘息かどうか調べる機械」とか、色んな検査をしてくれました。
さらに、胸部のレントゲンとCTまで。

またH先生(院長)がとても素晴らしくて、肺がんや肺炎の患者のレントゲンやCTと比べながら、

「ほら、比べてみるとあなたの写真と全然違うでしょ?あなたの肺にはまったく問題がありませんよ」
「でも、問題は気管支ですね。気管支喘息を示す数値がエライことになってるね」
「といっても、これは薬をちゃんと飲めば、すぐ下がる数値だから」

と、ものすごく論理的。
これまで、適当な問診だけで適当なことを言われていたのがウソみたい。

わたしは数年かけて「気管支喘息」という立派な(?)病名にたどり着いたわけです。
じゃん!

今まで、自分は「ヘタレ」「怠けもの」とは思ってたけど、こんなちゃんとした持病があるとは全然知りませんでした。

ちなみに、喘息においては、「放置して自然に治るのを待つ」のは最もやってはいけないことらしいです。咳をするごとに気管支が過敏になり、悪循環になるから。

医者も人間なので、色んなタイプがいるのでしょう。
納得いく先生に会えるまで探す、そこまではやはり自分自身でやるしかないようです。

ーーー

ところで、「咳」といえば、思い出す本があります。

流通ジャーナリストとして、「ホンマでっか?」などのTV番組でも活躍した、金子哲雄さん。

41歳という若さで、肺カルチノイドという、がんに似た病で亡くなってしまいました。

彼の”お得なネタ”情報は、役立つんだけど、なんだかちょいセコいときもあって少し笑ってしまう。
愛嬌のある見た目もあいまって、わたしは彼がかなり好きだったのです。
実は同年齢、亡くなったときは、本当に残念に思いました。

「僕の死に方」には、金子さんの病がどのように発覚して、彼がどのように戦ったか、さらに自分の葬式をプロデュースしてから亡くなるというところまで含めた、彼の完璧な終活(エンディングノート)が記されています。

金子さんの場合も、病気の発覚はまず咳から。
最初の病院では「まぁ元気そうだし、なんでもないでしょ」という診断。

しかし咳はどんどん悪化。
別の病院に行った時にはすでに「いつ死んでもおかしくない」、という衝撃的な宣告を受けます。

咳が長引き、いくつか病院に行って。
ろくでもない診察結果を受けて。
やがて、やっとまともな病院でレントゲンやCTを受けて。

…というところまでは、わたしとほとんど同じ流れなんですよね。

でも結果が「余命宣告」か「気管支喘息」か、こんなに違う。
もはやただの運だと思います。

金子さんも、「ただの気管支喘息」だったらどんなに良かったかなぁ。

この本を読むたび、気になる健康の問題があったら、何度でも納得いくまで病院に行かねばならないし、そこまでは自分の責任なのだなと思うようにしています。

余談ですが、(気管支)喘息の人は、コロナにかかりにくいという統計があるそうです。
何やら、「コロナにかかるために必要なある種のたんぱく質が、喘息患者はあまり持っていない」だからとか。

不幸中の幸いというべき?