四万十市・幡多

地方で触れた超一流 ~ ヴァイオリニスト川畠成道さんの講演と演奏

こんにちは、ななみんです。

先日、行きつけのスーパーのサニーマートでこんなチラシを見つけました。

お隣、黒潮町の町民大学のお知らせ。

町民大学、市民大学というのは、自治体が毎年行う、各界の著名人を招いての講演会のような催事です。四万十市でも、やくみつるさん、黛まどかさんの講演など行ったことがありました。

これもなにげなく手に取ったんですが・・・

ななみん
ななみん
ふうん・・・え?あれ?ええええええ???

なんで川畠成道さんが黒潮町に???

ヴァイオリニスト・川畠成道さんのこと

わたしはクラシック音楽にもヴァイオリンにも特に造詣などありませんが、川畠さんのヴァイオリンだけは別で、嬉しいときも、ツライときも、そして

ななみん
ななみん
会社員として残業中も

よく聴いていました。
川畠さんのヴァイオリンはキレ味が良く、透明感があり、気持ちが爽やかになる音楽です。なので残業中に聴いてはキモチを盛り上げていました。

基本的に彼の音色に惹かれるのは「心地いい」からなんだと思います。

川畠さんの音色には、ただ美しいだけではなくて、優しさ、哀しさや強さがそこに全部含まれているような気がする。

やはりそこには彼の技術だけではなく、人生が凝縮されているとしか思えない。

川畠さんは子どものころに病気でほとんどの視力を失っていますが、超人的な努力と才能で世界的なヴァイオリニストになった方です。

ご本人は、過去についてはさらりと語るのですが、お父様のお話を読むと、その実態の壮絶さに胸を打たれます。

参考:天才バイオリニストの父 川畠正雄(現代の肖像)

1999年に発売されたデビューアルバム「歌の翼に」は、クラシックとしては超異例の20万枚を売り上げたヒットとなりました。

 

実は彼とわたしは同年齢(1971年生まれ)。
わたしが健康で何も考えてない8歳のころ、彼は視力を失っていた。
わたしが遊びほうけていた10歳のころ、彼はプロのヴァイオリニストを目指してひたすら努力を始めた。(ちなみにお父様がヴァイオリン奏者で指導者でもあった)

そして彼はロンドンの英国王立音楽院に留学して首席で卒業するのですが、そのちょうど1年後くらいにわたしもロンドンで留学していた時期がありました。

ななみん
ななみん
まぁ同じ留学でも質が違いすぎます

同じ時代を、同じ47年の月日を過ごしていたのに、背負ったもの、成し遂げてきたものが違うなぁ~と、素直に感心するしかない・・・

町の公民館で開かれるコンサートとは?

今回の会場は黒潮町の総合センターの2階大ホール。

大ホールとはいっても、いわゆる「町の公民館」です。
こういうところに、世界的アーティストが来てくれるんかなぁとまだ信じられない気持ち。

パイプいすだし・・・

(演奏中の撮影は禁止されていたのでありません)
が、本当に来てくれて、約1時間にわたり、お話を交えながらの演奏をしてくれました。

実物の川畠さん、近くで見ると、「真面目な理科系の大学院生」みたいな雰囲気。理知的なんですよね。そして47歳にしては若い。

実は演奏者は体力勝負だから、筋トレとかもかなりやっていると、なにか雑誌で読んだことがあります。

そして、彼のこれまでを振り返るお話。

病気で視力を失くし、家族みんなが落ち込んでいた時にヴァイオリンを始めて、急に未来が明るく感じられたこと。

それでも高校時代から大学にかけてヴァイオリンの練習をしていたときは行き詰っていたこともあったこと。

それが英国(欧州)というクラシックの本場へ留学し、過ごしたことで価値観も変わり視野が開けて行ったこと。

さらに、クラシック(古典音楽)について。
クラシックは数が限られているけれど、曲の理解や演奏者によって無数に変わっていくからいつまでも色あせたり飽きたりすることないことなど。

自分の人生について過去の苦労を強調するでもなく、淡々と誠実に音楽に向き合っている方なのだなと感じました。

本日の演奏曲

「タイスの瞑想曲」からはじまり、途中は「ライムライト」「ムーンリヴァー」などの映画音楽、クライスラー、ギターの名曲「アルハンブラ宮殿の思い出」などを経て、最後は「ひばり」。

この「ひばり」(ディニク)という曲は、素人でも

超絶技巧

というやつなんだな、とわかります。これはすごい。

このCD(プライム会員だと無料)から聴くことができます。

アンコールは代表曲ともいえる「アヴェ・マリア」。
これからクリスマスに向かって聴くのにもおすすめですね。

ふだん、クラシックをそれほど聴きなれていない観客が多いであろうことをよく考えて練られた構成だなぁと思いました。

田舎の奇跡?

東京にいるときに、何度か川畠さんのコンサートに行ったことがあるのですが、オペラシティ等の立派な大ホールでの演奏でしたし、遠くから眺めつつ、音響のいいホールで音を愉しむといった、ふつうのコンサートでした。

しかしここは違います。公民館でたぶん音響設備もへったくれもないけど、なにせ

ななみん
ななみん
すぐそこにいますから

音はいいに決まってます。

しかも、表情がわかるほどの距離感。SS席ですよね。

こんな贅沢なことがあっていいのか~と思いましたね。

改めて最新の本を手に取ってみようかな。

 

ななみん’s VIEW ~ 本物に触れる機会

川畠さんの演奏をはじめて生で聴いたオットも、その質の高さに感動していました。

やはり本物はいいなぁと。

地方でもいろんなイベントはやっていますし、そこでいろんな作品の作り手や発信者の顔が見えて、彼らと共に生きる・暮らしているというのはとても素晴らしいこと。

ただやはり「図抜けたもの」「世界で磨かれた一流のもの」に触れる機会はどうしても少なくなる。

今回のコンサートも、会場には100人くらいの人が来ていましたが、キャパシティからすればもう少し人が入れる余裕がありました。
せっかくの内容も、そもそも認知が足りないと届かない。もったいないです。

「都会の子が上野の国立美術館に行っているときに、地方の子はイオンモールしか行くところがない」

という地方の親の嘆きのコメントを見たことがありますが、子どもに限らず大人も同様かもしれません。

田舎は文化が少ない、というのはもう当然のごとくなっていますが、本来はそうした文化的格差はありすぎてはならないと思います。

こうして、呼びさえすれば意外にこんな一流アーティストもここまで来てくれるということは発見でしたし、もっと地方でも工夫のしがいはあるのではないかと感じました。

ななみん
ななみん
それにしてもなんで黒潮町だったんだろう

気になる・・・!!