こんにちは、ななみです。
今日は久々に、オットの林業の手伝いに出かけました。
久しぶりに見たら、道がずいぶん延伸されてる・・・
相変わらず、丁寧に仕事してます。
ところで、山を削って道を作ると
こうやって、側面にボサボサと木の根っこが出てきてしまう。
このままだと見た目も悪いし、車に引っかかったり、人が引っかかったり、まぁとにかくいろいろ不都合なので、カットしていきます。
こんな地味な道具で・・・
この「木の根っこを裁断する」がわたしの重大任務。(ところでこの仕事は林業・・・なのだろうか)
しかし、チョッキンチョッキンと伐っていく単調な作業。
やはり1時間も経つと、ちょっと飽き気味に。
そんなときは、Audibleでちょっと気分転換。
AudibleはAmazonが提供する、“聴く読書”サービスで、小説やビジネス書を中心に、色んな本が著名な声優・俳優などによって朗読されています。
ただ、まだ音声化されている書籍数が少ないので、費用対効果(会費:月/1500円)は微妙なところなんですよね。わたしも使ってみたり、やめたり、繰り返しています。
今月はたまたまキャンペーンの案内があったので、また久しぶりに使ってみています。
クルマに乗っている時間も多いので、移動の時とかは、なかなか良いんですけどね。
今日は、「いつか読もう」と思い続けて半世紀経ってしまった、ミヒャエル・エンデの名作「モモ」を聴くことに。
100分de名著にも昨年取り上げられました。
ドイツ人作家、ミヒャエル・エンデが1973年に刊行した「モモ」は、
時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語
などと説明されるのですが、なんのこっちゃわからないですよね。
やや砕いて言うと。
物語の中では「灰色の男たち」と称される怪しい一団が登場します。彼らは、「時間」を人間に倹約させることにより、世界中の余分な「時間」を独占しようとするのです。
たとえば、モモの住む町の居酒屋のおやじは「スピード料理」の店に転向して、大繁盛はするものの、昔のように馴染みとわずかな世間話をする暇もなくなっていく、といったように。
つまりこの「灰色の男たち」というのは、社会の”合理化”や”効率化”によって金を得ようとする人心を象徴的に表したものだといえます。
ちなみに朗読しているのは、あの高山みなみさんです。
一人何役もこなし声を使い分けるところはさすがにトッププロの声優さんで、これまた、読書とは異なるエンターテイメント性が新鮮!
高知の山の中になぜか朗々と響く、エンデの世界。
まだ全部聴けてはいないのですが(なんと朗読だと12時間)、途中までですでにこの物語の魅力に取りつかれつつあります。
一応「童話」ジャンルであって、確かに子どもから見れば不思議なファンタジーへ連れて行ってくれる楽しい(ちょっと怖い)物語なのですが、「時間とお金に追われて大切なものを失っていく人々」が描かれる世界は、大人にしてみると、グサっとくるものがあります。
この本が書かれたのはもう50年近く前のことなのに、まるで現代の話のよう。
そのころからもう、現代と同じようなことが起こっていたという普遍性にびっくりします。
外国の文学は、「ハーメルンの笛吹き」とか「ムーミン」とか、子ども向けのファンタジーと思いきや、大人への示唆(皮肉?)がたっぷり詰まっているものが多いような気がします。
本質的なことは、子どものうちに教えておこうというのが、欧米の考え方なのか?
そんなこんなでブツブツ言いながら仕事をしていたら、それはそれで集中力を生んだのか、そこそこ快調に進行しました。
今、作業をしている山は、風を遮る環境にあり、とてもポカポカと気持ちのいい場所なのです。
あれ、でも気づいたらオットはどんどん先に進んでいってる・・・
「はてしない物語」・・・