いつぞやここでも書いたように、製菓学校の通信課程を受講しているので、今年は何度か上京して、スクーリング(対面式の授業)を受けなければならないのです。
いつもは、中村(四万十市)から最寄りの高知龍馬空港までクルマで行くのですが、今回はわたし1人の上京なので、初めて列車で行くことに。
中村駅から高知駅まで、1時間40分。
そこから空港シャトルバスで30分。
でも待ち時間とか乗り換え時間とか合わせると、家から空港まで、まぁざっくり3時間は見ておく必要があって。
片道3時間って、お泊り旅行の距離ですよね。
これを「最寄り」と呼んでいいのか、はなはだ疑問。
まぁそんなこと言っていても、空港が移転する気配もないので、仕方なく初めて特急に乗るため、中村駅までオットに送ってもらいます。
ちなみに、四万十市の中村駅は、「土佐くろしお鉄道」という第三セクターの駅。
我が家から駅までは車で15分ほど。
特急に1本乗り遅れると自動的に飛行機に乗り遅れるので、すごい緊張感で早めに向かう。
待合室も感じが良い。ここカフェにしたらいいのになぁ。(なんでもカフェにする)
牧歌的な駅のホーム。意外とたくさん人がいる印象。もう、「たくさん」の数値感覚がおかしくなってるのかな?
中村から高知まで最速で行く「特急あしずり」は、朝ドラ”らんまん”仕様のラッピング車両でやってきました。朝ドラ好き夫婦なので、とりあえずオットに報告しておく。
そして内部。
車両が古いよ、みたいなウワサもあったのだけど、実際にはかなり新しく綺麗だったので拍子抜け!
ディーゼルらしく、乗り心地はやや独特な感じだけど、悪くないし。
ところで、【初めて乗る特急】とはいっても、中村(四万十市)から高知まではしょっちゅう行き来している道。
「クルマと列車」の違いはあっても、特に目新しい景色なんてないよねぇ。
なーんて、乗る前は斜に構えていたら、それが大きな誤りであったことにすぐ気づく!
そもそも列車の線路と、クルマの通る国道は、走っている場所が全然違う!
線路はかなりキワを攻めているところを通っているし、目線も高い。
やたらワイルド。
大げさでなく、「山を切り裂くように」走る列車にひとりで「おおぉ~」と小さく奇声を上げる。
しかしほかの乗客はもう慣れているのか、落ち着いたものです。
車内をせわしなく移動してやたら写真を撮っている挙動不審な人は、わたしだけでした。
かと思えば急に海とか。
で一方、左側に目をやると。
山、田んぼ、畑、少しの人家、という、おなじみの風景が広がる。
さて、この中村(四万十市)から窪川(四万十町)を経由し、高知市まで走るこの区間は、正確に言うと、
- 中村~窪川→土佐くろしお鉄道
- 窪川~高知→JR四国
がそれぞれ運営しているという、ちょっと複雑な構成。
いったん乗ってしまうと、車両はそのままなので気づかず過ぎてしまうかもしれないけど、注意しているとけっこう色々違う。
くろしお鉄道(エリア)
・人家少なく(過疎?)景色抜群
・車内放送少なめで静か
・検札の乗務員さん、プーさんのティータイムのように静かにのんびり近づいてくる
JR四国(エリア)
・トンネルと人家多く、景色いまひとつ
・大量の車内放送でいろいろ指導される
・検札の乗務員さん、挨拶早口で動作俊敏
景色云々は、JR管轄エリアはどうしても都会に近い範囲なので仕方ないとして。
企業文化的に総じて言うと、やっぱJRってちゃんとしてるねぇ、という感じ。
一方、くろしお鉄道は万事のんびりしてる感。
静かでほったらかしてくれるんで、わたしにはそれがすごく良い。
それにしても、改めて比べて見ると、中村~窪川の間の自然の豊かさがスゴイ。
窪川以西、中村のほうには高速道路がないことが、やっぱり大きな影響があるのかもしれません。
中村のほうへ来る機会があれば、特急あしずり、ぜひ1度乗ってもらいたいものです。
なーんて、自分だって7年も住んでて初めて乗ったくせに、偉そうな!!
言い訳ですけど、こちらに住んでいると、どうしてもクルマ移動が優先になってしまうんですよね~。
ドアツードアの簡単さでついクルマに頼っちゃうのもあるけど、何より費用の問題が大きい。
中村~高知間を列車で移動すると、通常料金は片道4,370円、かつ高知駅から空港まではさらにプラス900円(直行バス)。
つまり、空港に行くだけで往復2名であっさり1万円を超えてしまいます。ひぇー。
一方で、クルマであれば、往復4,000円(高速代&ガソリン代)で済む上、行き帰りに寄り道も自由だし、荷物も運べてしまう。
2人以上だと、やっぱりクルマになってしまうんですよねぇ。
でも、不便なエリアだからこそ、これだけの自然が残されているんだよなぁ~と、今回列車に乗ってみて、改めて思い直しました。
列車の費用は高いと感じるけど、少ない乗客のために列車を定期的に走らせるのは本当に大変なことですよね。
とりあえず、特急あしずりが、これ以上本数が減りませんように!
(増やせとは言わないから!)