わたしたちの住む高知県四万十市のお隣、黒潮町では昔ながらの黒糖づくりをされている方々が結構おられます。
その中で、移住して黒糖づくりにチャレンジしている若手のひとり、イノタネアグリを経営する秋吉さんとご縁があって知り合うことができました。
最近では高知の蔦屋書店にも出店していたというイノタネアグリさん。
9月に、秋吉さんのさとうきび畑を訪れたときの画像がこちら。
高知ってやっぱり南国。
特に黒潮町は太平洋に面していて、日射しキラキラ、明るい!
無農薬のさとうきびは元気いっぱい。
秋吉さんは、さとうきびの「刈り方」にもこだわっていて、手で少しずつ、スパッと「さとうきびが苦しまないように」刈り取る、という徹底ぶり。
さとうきび愛とその丁寧な仕事に感心するばかり。
さてそれからしばらくすぎて、12月も押し迫ったころ、
とオットに声をかけてくださった!
黒糖を作るのは、実は年に1度。
11月~12月ごろに一気に刈り取り、一気に製糖するんだそうです。
黒潮町の製糖は、200年続く伝統製法を守っているという。
我々夫婦は、もちろん喜んで~!と回答。
いま、2時て言った?
2時て、朝じゃなくない?
びっくりしたぁ~!
実は。
この時期に集中してやる製糖作業というのは、週に数日、自分で栽培したさとうきびだけではなく、チームを組んで、他の人の分も手伝いながら輪番制でやるんだとか。
で、作業時間はだいたい夜の20時から翌日14時まで。
作業段階で見てオモシロいのが朝の2時~4時くらいだからと、その時間に誘ってくださったわけ。
やっぱり昔ながらの仕事は助け合い精神がないとできないんだなぁ。
そして、出かけましたよ。
丑三つ時に!!
黒潮町の製糖所。共有の立派な施設です。
(※ これは帰るときに撮影。来た時は暗黒でしたから)
3時ちょっと前に到着したら、みなさんフツーに働いてます。というか、めちゃ忙しそう!
ONE FOR ALL, ALL FOR ONEと勝手につぶやいてみる。
大まかな作業の流れです。
まずは、さとうきびを圧搾した汁に、石灰を入れて丁寧にあくをとる。
そして桶に移し、澄ませる。
石灰と結びついたあとに澄ませると、より黒糖が澄みわたるのだとか。
黒糖といえば沖縄ですが、沖縄ではこの「澄まし」ステップはないそうなんです。
そして、水分を飛ばしつつ、待機。
釜は3つあるのですが、2つ目まではガス、3つ目のみ、薪を使って仕上げていきます。
やっぱり、仕上げは薪じゃないと、味が違うんですって~!
コーヒーと同じ、かな?
黒糖を炊くための薪は、「松」が良いそう。
古い民家の取り壊しの情報を集めて、頂きに行くんだそうです。
こんな活用方法があるんだ。
薪もしょっちゅう追加し、忙しい。
黒糖になる寸前に、「ボカ」といシロップ状態になります。これもひとつの製品。
黒みつのような、メープルシロップのような、深い深い味わい。
これ、コーヒーゼリーにかけると最高なんですよね。
ほかにも、わたしは「バニラアイスクリーム」「ヨーグルト」にかけるのが好きです。
なんにでも使えます。
そこからまた、ひたすら煮詰めて、最後に「ピっ」と黒糖を空中に散らして、まとまって飛ぶようなら出来上がり。
職人の「勘」がすべて、の作業
つややかに完成した黒糖。
そして、これで終わりではない!
ここからは女性班の作業。
別の部屋に運ばれた黒糖は、撹拌されて・・・
どんどん型に流し込まれていきます。
きれいにまとまっていく!
どんと、できあがり!
ちなみに、黒糖を運んできたこの「桶(とうろ)」についた黒糖をこそげとった、出来立ての黒糖が一番のごちそう♥非売品
役得!
ちなみに、イリノザトウさんの商品は主に県外で販売されていて、人気の商品。
逆に県内で扱っているところはほとんどありませんが、うちでは少し置かせてもらっています。
黒糖は、そのまま食べてよし、お菓子に使ってよし、さらにバターを塗ったトーストにかけて、さらにかりっと焼いても絶品~
それにしても、なんだかんだ朝7時くらいまで見ていたのですが・・・
いえ、別に手伝うでもなく見ていただけなんですけど。
それでも、立っているだけで疲れました。
作業をしている人々はどれほど疲れるんだろう・・・
とにかく、鍋から鍋へ移動し、かきまぜ、澄ませ、ああだこうだと、ほんとにずっと何かしているんですね。季節限定とはいっても、すごい重労働。
差し入れがありがたい。玄米餅。
高知県の黒糖つくりって、あまり知られていないと思うんですが、小規模だからこそできる、本当の手作り。これ以上丁寧な作り方ってないんじゃないでしょうか・・・
知らないところで、色んな人が、すごいことをやっている。
真夜中に何かをしている人がいる。
世の中は面白いことで溢れている・・・
帰るころに、やっと夜明け。
また、黒糖やボカを使ったスイーツも作ってみたいと思います。
こんな風に愛情いっぱいに作られた黒糖やボカを使っているということです。
お店に出ていたら(いつもあるわけではない)ぜひ試してみて下さいね!