こんにちは、ななみです。
先日、念願の買い物をしてきました。
それは、土佐打刃物(の包丁)です。
高知(土佐)は古くから農業や林業が盛んで、道具としての刃物は絶対必要なモノ。鎌倉時代の前から、刃物は作られていたようです。
土佐刃物、というと、全体に高知県の東部のほう(香美市など)のほうが知られているような気がするのですが、西部でよく名前が挙がるのが、四万十町の黒鳥(くろとり)さんです。
とはいえ、この黒鳥さんもやはりルーツは安芸(高知県東部)なんだそう。
もともと土佐を代表するくらいの大鍛冶であった黒鳥の分家として始まったのが、現在四万十町にあるこの黒鳥さんだそうです。
ところで、高知って、魚がやけに安いんですよね。
しかも、なんか、丸ごとでよくゴロゴロ売っています。
切り身も開きももちろんあるんですが、どーーう考えても、丸ごと買って自分でさばいた方がはるかに安い(し、たぶん、美味しい)。
というわけで、移住してから、「自分で魚をがんがん捌く」が悲願だったわけですが、それには、現在愛用している包丁ではちょっと物足りない。
魚をさばくと言えば、やっぱり出刃包丁なのです。
あまり考えたことなかったけど、包丁って用途によって変えるものなんですねぇ・・・
どうせ買うなら、やっぱり土佐刃物が良いし、さらになるべく近所がいいよね。
というわけで、林業用の道具を見たいオットとともに、家から1時間程度の黒鳥鍛造さんへ。
現在は若い4代目が継いでおられる黒鳥さん、素敵なお店のたたずまいです。
店内はそれほど大きいわけではありませんが(奥は別に工房があります)、いろいろな刃物をじかに見ることができるのはやっぱり良い!
お目当ての出刃包丁のラインナップはこのあたりにありました。
小さいものが4000円~、フルサイズ(?)が8000円~といったところ。
キチンとした包丁としては、全然高くない価格です。
「一生もの、イヤ、末代まで使えますよ」
と4代目が言ってくれましたが、子どもがいないから、誰に譲ろう?寄付か?
・・・と早くもどうでもいいことを考えてしまいました(笑)
出刃包丁の在庫はそんなに数多くなく、実質この2択。
左が、やや大きめ。柄は「ホウ」の木。(9200円)
右が、ちょっと小さめ。柄は「クルミ」の木。(8300円)
たくさんあっても迷うだけなので、助かりました。
(右)クルミのほうが、なんかモダンな印象ですよね。一方、いかにも「和包丁!」って感じの、(左)ホウも捨てがたい・・・
しかも微妙にサイズも違うし。
お店のアドバイスとしては、
「包丁は大きいほうが、自重(包丁自体の重さ)で切れていくので、人間のほうは疲れないで済む」
とのこと。
とはいえ、小さい魚を大きな包丁で切っても取り回ししづらいだけ。
要するに、包丁は大は小を兼ねるってものでもないし、目的に合ったサイズを買うことが大事とのこと。
その流れで、
「普段、どんな魚をさばきよる?」
と聞かれたのですが、
とも言いづらく、つい
と、ついよくやってる風に、知ってる名前を挙げてしまいました。
うっかりマグロとか言わなくて良かった。
そうしたら、「タイなら大きめの刃がいいけど、サバなら小さくても」と話を余計ややこしくしてしまったので、なんだかんだで大きいほうを買いました。
(結局は「大は小を兼ねる」論に頼る)
あとから測ったら、買った包丁は”大きいほう”とはいっても205g、刃渡り14㎝ほどなので、出刃包丁の中では小ぶりでした。やはりこちらにして良かったです!
帰ってからまたゆっくり眺めると、やはり和包丁の輝きはなんか妖しげですね。
日本刀を眺めながら酒を飲む、みたいな嗜好も何となくわかる気がします。極端だけど。
使うのがもったいない気もしますが、とりあえず魚を買ってきたらまたレポートします。
そんな間にオットは、納屋から見つけた古い鎌の研ぎ直しを相談していたり・・・
この日は、こうした鎌を2本と、わたしの手持ちの包丁を2本研ぎ直しもしていただいたんですが、それもまた「うぇぇ~!!」というほどの研ぎっぷりでした。(新品のように)
研ぎ直しも本当に丁寧に安価でやってくださるので感謝です。
田舎は店が少ない、ってよく言うんですけど、必要な店はちゃんとあるし、しかもより身近なんですよね。4代目と若いお弟子さんたちが支えているこのお店はすごいと思います。
いつまでも続いて、今回購入した出刃包丁もずっと研ぎ直ししてお付き合いいただきたいです!
黒鳥鍛造工場
住所 〒786-0043 高知県高岡郡四万十町本堂430
電話番号 0880-24-0291
営業時間 8:00~18:00
駐車場 有り