こんにちは、ななみんです。
現在、週に2~3日カフェを経営しています。
実は移住してカフェをやる予定なんぞもともとはなくて、「ひょうたんから駒」というか「棚からぼた餅」というか、本当にそんなきっかけではじまったのです。
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はじめて訪れた四万十市
わたしたちがはじめて四万十(というか高知、というか四国)に来たのは2015年の年末、移住を視野に入れた下見と旅行を兼ねて・・・という感じでした。
四万十市の中心である中村は思ったより大きなスーパーやホームセンターが充実していて、生活には困らなさそう。
と思いました。
書店は小さいけどいくつかあるし、まぁいいか。
図書館もちょっと小さいけど、綺麗で使いやすそう。
街中には「ウォッチ」さんという、レトロでかつモダンな、とても素敵な喫茶店もあった。結構満足!
ちょっとアレが足りない
さて、なんたって四万十市だし。
ということに。
「四万十」市っていうくらいだから、川の見えるカフェなんて、いくらでもあるはず。
それこそ、あふれかえって・・・
選ぶのに困るくらい・・・
あるはずで・・・
うそぉ。
四万十川という超有名な観光スポット。
川沿いのカフェなんか乱立して、その前では四万十まんじゅうを蒸してて、四万十清流ソフトクリームとかが飛ぶように売れて、お土産にペナントとか
ない
まぁあとから知ったのですが、このあたりはなんというか、観光地らしいガツガツした商売っ気が少ないのです。
それは好ましいことだけど・・・
わたしたちはどこへ行ってもカフェでコーヒーが飲みたい夫婦だし、住むとなったらなおさら、欲しいなぁ。
スーパーや、ホームセンターではまかなえい「何か」が欲しい。
それは「空気感」でもあり、「場」ともいえる何か。
なので、
という想いを持ったまま帰京したのでした。
カフェとなる場所と、粋人Yさんとの出会い
結局、その4か月後には、正式に移住したんですけどね。
そして数か月がたったころ、林業つながりで紹介されたのが、地元の山主のYさん。
ご自宅に招かれてその広大さにドン引きしたりしていました。
Yさんちは、農園なども含めて数ヘクタールあります。山を含めると数十ヘクタールです。
ちなみに東京ドームって4.7ヘクタールくらいらしい。
東京ドームはさておき、そのYさんのご自宅敷地内の「離れ」を訪ねたときのこと。
わたしたちが下見に来た時に、きっとあるはずだと思った「川が見えるカフェ」のイメージそのものの場所がそこにあったのです。
この場所は、Yさんがお友達を招いたりして遊ぶための場所なんですが、最近はあまり使わなくなってきたとか。
そう、Yさんはすごくヘンな粋な人なのです。
ウソみたいですが、こんな四コママンガみたいなやり取りだけで、急にわたしたちはカフェを始めることになったのです。
カフェを始めるまでの準備
細かい決め事は割愛しますが(というかほとんどないのですが)、そんな感じで始まりました。
建物はすでに素敵なので、手を加えたところはありません。
内部のキッチン回りももともとちゃんとしたものがあり、ほぼそのまま使わせてもらいました。
食器や冷凍庫、オーブンなど、店舗として必要なものはこちらで揃えましたが、それもYさんからは何の指示も制限もなく。
そして、これまた個人の持ち物としてはおかしい大きなピザ窯がありました。
そんなこんなで、わたしたちは気づいたら当初まったく予定のなかった「石窯自家焙煎珈琲店」の経営者になっていたのでした。
人生はまったくナゾです。
ただ実を言うと、私の中では
という気持ちはありました。
ただ、たぶん世の中の87%(知りませんが)の女性は人生で一度くらい
と思うだろうよ、とわたしも自分で自分の夢をあまりマジメに取り合っていませんでした。そんなぼんやりした希望が急に形になり、一番驚いているのは自分ですね。
地元民と移住者のコラボレーション
地元民である家主は場所を提供する。
移住者であるわたしたちは労力とアイデアを提供する。
お互いが得意な分野を出し合うこの形はどちらにとっても無理が少なく、地元民と移住者のコラボとしては、理想形だと思います。自分で言うのもなんですが。
とはいえ、普通はあり得ない話。
土地という眼に見える資産を、そんな破格の条件で貸してくれる人なんてさすがにそうそういません。
これは本当にYさんの心の広さあってこそ、というか、もうほとんどそれがすべてで成り立っている話なのです。
ななみん’s View
あの日の自分たちのために開いたようなカフェは、こうして始まりました。
四万十を訪れた人に、「あそこで川を見ながらコーヒー飲んだひとときは良かったね」というふんわりした想い出を持ち帰って頂ければという想い。
ところが、実際には地元の方もたくさん来てくれているのは、嬉しい誤算ですね。
地元の人ほど、近すぎる四万十川の良さに気づきにくくなるけれど、それを再認識してもらえる機会になるならば、これほど嬉しいことはないです。
それに加えて、薪やコーヒーを通じて、山(林業)と町がつながった場所にしていければいいなぁと、ゆるく考えながらやっています。
わたしたちにこんな機会が訪れたのは不思議ではあるのですが、これは「やれ」という天の声なのかなぁと思い、続けていきます。